マネックス証券と米ブロードリッジ・フィナンシャル・ソリューションズは、日本の個人投資家が保有する米国株の議決権を直接行使できる新サービスを開始した。
国内証券会社として初の取り組みとなり、米国株投資における株主参加の枠組みが拡張される。
日本初、個人投資家が米国株で議決権行使可能に
2026年2月9日、マネックス証券と米ブロードリッジは、米国株を対象とした議決権行使サービスを開始したと発表した。
対象はマネックス証券の個人顧客が保有する米国上場株式で、日本の証券会社として初めて、議決権を直接行使できる環境を整えた点が特徴になる。
新サービスでは、ブロードリッジが提供する専用プラットフォームを通じて、株主総会の議案に対する賛否表明をオンラインで行える。あわせて、バーチャル株主総会への参加や、株主総会資料へのオンラインアクセスも可能となった。
議決権行使の案内は、発行体が定める基準日時点で対象銘柄を保有している投資家に対し、登録済みのメールアドレス宛てに通知される仕組みだ。これにより、従来は間接的対応に限られていた米国株の権利行使が、個人レベルで完結することになる。
マネックス証券の實近晃雄執行役員プロダクト部長は「本サービスは、金融の民主化を使命とする当社の取り組みを象徴するもの」と説明した。
一方、ブロードリッジのデヴィット・ランエイカース氏は「両社の協業を通じて、投資家エンゲージメントの新たな基準を確立する」とコメントしている。
個人投資家の主体性向上と運用リテラシーへの影響
このサービスの最大のメリットは、個人投資家が米国株においても株主としての意思表示を行える点だろう。議決権行使は企業統治に直結する行為であり、投資を単なる売買から長期的な関与へと変える契機になり得る。
ただし、議決権行使には投資家自身の判断責任が伴うため、議案理解や情報収集が不十分だと形式的な参加にとどまる恐れがある。利便性向上と情報格差への対応が今後の課題となりそうだ。
中長期的には、こうした仕組みが日本の個人投資家の運用姿勢に影響を与える可能性がある。配当や値上がり益だけでなく、経営方針やガバナンスを意識した投資判断が広がれば、市場全体の成熟度向上にもつながるだろう。
米国株投資の裾野が広がる中で、他の証券会社が同様のサービスに踏み切るかどうかも注目点だ。議決権行使環境の整備が競争要因となれば、日本の投資インフラ全体が次の段階に進む展開も十分に考えられる。
ブロードリッジ・フィナンシャル・ソリューションズ プレスリリース
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