株式会社GenAiが、社内の質問停滞を仕組みで解消するAIエージェント「GenAi WorkAgent」の提供開始を発表した。企業向けに、業務生産性と組織定着率の改善を狙うサービスである。
GenAi、社内相談を担うAIエージェントを提供開始
GenAiは2026年2月9日、社内の書類・規定・マニュアルなどを統合し、曖昧な質問からでも最適な対応策を根拠付きで提示するAIエージェント「GenAi WorkAgent」の提供を開始した。
本サービスの背景として、社内で質問できない状態が心理的安全性の低下や業務停滞を招き、人材や業績に影響する経営課題になることがあるという。
そこで、24時間365日稼働する社内相談窓口として「GenAi WorkAgent」機能させることで、社員が「誰に聞けばいいかわからない」「忙しそうで聞けない」と感じる状況を、仕組みで解消することを目的としている。
「GenAi WorkAgent」は、単なる回答に留まらず、質問内容を解釈した上で不足情報を整理し、規定やマニュアルを参照することで、手続き案内、申請フォームの提示、担当者へのエスカレーションまでを一連で支援する点が特徴だ。
従来のFAQやRPAでは対応が難しかった領域にも踏み込むことで、新人からベテランまで必要な情報へ迅速にたどり着ける状態をつくり出す。
生産性向上の期待とAI依存リスク、社内コミュニケーション再設計の可能性
「GenAi WorkAgent」の導入により、新人のオンボーディング期間短縮や定型的な社内問い合わせの削減など、生産性向上への寄与が期待される。
問い合わせ履歴は自動的に整理・蓄積され、ナレッジが循環する設計のため、対応品質の安定化につながる可能性もある。
一方で、生成AIの活用には誤回答(ハルシネーション(※1))や、判断をAIに委ねすぎることによる過度な依存といったリスクが伴う。業務判断における責任の所在が曖昧になる点も課題となり得る。
同社は、回答根拠の明示や権限管理、Human-in-the-loop(※2)を前提とした運用設計を採用し、最終判断は人が行う原則を明確にしているが、実運用においてはガバナンス設計と利用ルールの徹底が不可欠だろう。
今後は、問い合わせが集中する業務領域から段階的に導入し、効果測定を行いながら全社展開を進める企業が増える可能性がある。社内コミュニケーションを仕組みで再設計するAIエージェントとして、「GenAi WorkAgent」の今後の実運用成果にも注目したい。
※1 ハルシネーション:生成AIが事実と異なる内容を、もっともらしく生成してしまう現象。
※2 ※Human-in-the-loop:AIの処理結果に人間が介在し、確認や最終判断を行う運用設計。
関連記事:
社内会議の言語壁が消える シャープが翻訳対応の議事録AIを投入

セイコーが暗黙知をAIで可視化 社内継承を支える「AIインタビュアー」追加

日立製作所、PKSHA AIヘルプデスクに生成AI検索導入 社内ドキュメント活用で自動回答率7割を目標に
