2026年2月6日、日本の一般社団法人AICX協会が「次世代BtoB営業AI実装委員会」の設立と第1期参画企業の募集開始を発表した。生成AIとAIエージェントの実装により、企業間営業の構造転換を目指す取り組みである。
BtoB営業AI実装委員会が始動
同委員会は、大企業のエンタープライズフィールドセールス(※)を主対象とし、営業活動を労働集約型から知的共創型へ転換することを目的に設立された。顧客インサイト起点の営業スタイルの標準化、グローバル水準の生産性モデルの実証、EX(従業員体験)(※)向上による人材課題の解決を柱とする。
活動は講義中心の勉強会ではなく、参加企業が仮説を持ち寄り検証を繰り返す実証型の場として設計された。実証と実装知の探索、知の深化、発信と共創、実装と定着というサイクルを回す。
参画対象は、業界を先導する大企業のほか、BtoB営業、AI技術、コンサルティング、リサーチに強みを持つ企業、研究機関、営業課題を抱える事業会社など。委員長には、マーケティング支援を手がけるNexal代表取締役でBtoB営業改革に詳しい上島千鶴氏が就任した。
※EX(従業員体験):従業員が働く過程で得る体験や満足度を指す概念。働き方やツール、組織文化の設計が生産性や定着率に影響するとされる。
営業AI化の利点と課題、今後
営業領域にAI実装が広がれば、案件創出から提案設計、顧客理解までのプロセスが再定義される可能性がある。
属人的な経験に依存してきた判断が可視化され、組織として再現性の高い営業モデルを構築できる可能性がある点は利点と考えられる。
一方で、データの質や管理体制が不十分なまま導入が進めば、意思決定の偏りや現場の混乱を招くリスクもある。
営業人材にはAIを前提にした提案設計や顧客共創のスキルが求められるようになる可能性があり、役割転換への適応が課題となる場面も生じると考えられる。
今後は、実証で得られた知見が業界横断の標準として共有されるかが焦点の一つになるとみられる。
実装段階まで踏み込んだ成果が積み重なれば、日本のBtoB営業は個人依存型から組織主導型へ移行していく可能性があり、CXとEXの双方を軸とした新しい営業モデルが定着していく余地がある。
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