国内IT大手サイバーエージェントが発表した2026年9月期第1四半期決算で、動画配信サービスABEMAが開局以来初めて四半期単体で営業黒字化したことが明らかになった。
長期にわたり投資が続いてきた国内動画配信事業において、収益面での改善が表面化した形だ。
ABEMA、開局来初の四半期単体黒字を達成
2026年2月6日、サイバーエージェントは、2026年9月期第1四半期(10〜12月期)決算を発表し、同社グループの中核サービスであるABEMAが、単独で四半期営業黒字を達成したと明らかにした。
2016年の開局以降、先行投資を継続してきたABEMAにとって、四半期ベースでの黒字化は今回が初となる。
サイバーエージェントは、ABEMAを中核とするメディア&IP事業を成長戦略の柱に位置付け、コンテンツ制作や配信基盤への投資を続けてきた。
2022年にはサッカーワールドカップの放映権獲得で注目を集めた一方、関連コストの増加により、一時的に大幅な損失を計上した経緯がある。
その後、収益構造の見直しが進み、2026年9月期第1四半期におけるメディア&IP事業の売上高は626億円と前年同期比12.5%増加し、営業利益も49億円と大幅な増益を記録した。
あわせて、グループ全体でも第1四半期の売上高は前年同期比14.0%増、営業利益は同181.8%増と高い成長率を確保しており、こうした業績拡大を背景にABEMA単体での四半期黒字化に至った形だ。
通期黒字化への分岐点 成長持続性が問われる局面
ABEMAの四半期黒字化は、同社単体の改善にとどまらず、サイバーエージェント全体の収益基盤が強化されつつある局面で実現した点が特徴だとみられる。
グループ全体が高い成長率を維持するなかで、メディア事業が利益創出に寄与し始めたことは、事業ポートフォリオの変化を示す動きとも言える。
一方で、四半期単体での黒字が通期ベースで定着するかは、依然として見極めが必要だろう。
今後の3四半期では、新規コンテンツへの投資判断や広告市場の動向次第で、利益水準が変動する可能性がある。
特に大型スポーツ中継や話題性の高い番組は、集客力が高い反面、コスト負担も大きいと考えられる。
ABEMAが安定的な黒字体質を確立できれば、同社は成長のための投資対象から、利益創出を担う事業へと位置付けを変えることになり得る。
今回の四半期決算は、その転換が一過性に終わるのか、持続的なものとなるのかを判断する試金石となりそうだ。
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