2026年2月5日、米上院議員がスペースXへの中国資本関与の疑いを巡り国防総省に調査を要請した。ロイターが入手した書簡で判明したもので、軍事・通信インフラを担う企業の資本構造が安全保障の論点として浮上している。
中国資本疑惑で米議会が調査要請
米民主党のエリザベス・ウォーレン議員とアンディ・キム議員は、スペースXに中国の投資家が関与している可能性があるとして、国防総省に即時調査を求めた。国家安全保障上の脅威になり得るとの認識を示し、株式保有の実態を明らかにするよう要請している。
報道や裁判証言では、中国と関係する投資家がケイマン諸島や英領バージン諸島の法人を通じて資金を迂回し、同社株を取得した疑いが指摘された。スペースXは軍事衛星や情報衛星の打ち上げに加え、ウクライナ支援にも活用される通信網「スターリンク」を運用しており、影響範囲の広さが問題視された形だ。
議員らは外国資本による所有や影響力が規制に抵触する可能性にも言及し、対米外国投資委員会(※)の審査対象となるか確認を求めた。さらに、AI企業xAIとの統合の動きが技術面での重要性を高めているとし、20日までの回答を要求している。スペースXは現時点でコメントを出していない。
※対米外国投資委員会(CFIUS):米国企業への外国投資が国家安全保障に影響する恐れがある場合に審査を行う政府機関。買収や出資に制限や是正措置を求める権限を持つ。
宇宙×AI時代の投資と安全保障
宇宙インフラを担う企業への資本の出自が問われることで、安全保障と民間投資の関係は新たな局面に入る可能性がある。透明性の確保が進めば、軍事・通信分野における信頼性の向上につながり、政府と民間の連携基盤が強化される余地もある。
一方で、外国資本への規制が強まった場合、資金調達の選択肢が限定され、結果として技術開発のスピードに影響が及ぶ可能性も否定できない。宇宙ビジネスは巨額投資を前提とするため、規制の設計次第では国際競争力に影響する局面も想定される。
今後は資本構成の透明性や審査基準の見直しが議論され、宇宙・AI分野全体で投資ルールの再整理が進む可能性がある。安全保障とイノベーションをどう両立させるかが、各国の産業政策における重要な判断軸になると考えられる。
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