2026年2月5日、NTTドコモ モバイル社会研究所が公表した国内調査で、検索結果のAI要約のみで満足し閲覧を終える人が6割を超えた。生成AI利用者における「ゼロクリック検索」の実態が明らかになった。
6割超がAI要約で検索完結
NTTドコモ モバイル社会研究所が2025年11月に実施した調査によると、生成AIを利用する全国15〜79歳のうち64%が、検索結果に表示されたAI要約だけで満足しリンクを開かない行動を取っている。内訳は「ほとんどやめる」10%、「よくやめる」19%、「ときどきやめる」35%だった。
性年代別では、10〜20代女性と50〜70代女性で「ほとんど」「よく」の合計が約4割となり、他層よりゼロクリック検索(※)の実施率が高い傾向が確認された。
また、AI生成情報の確認作業を人ではなくAIに任せてもよいと考える人ほど、この傾向が強かった。さらに、理由の理解よりも答えを優先する意識が高い層ほど、検索を要約のみで終える割合が高い結果となった。
※ゼロクリック検索:検索結果の要約や回答のみで疑問を解決し、リンク先のサイトを閲覧せずに検索行動を終える現象。
利便性拡大と信頼リスクの分岐点
ゼロクリック検索の広がりは、情報取得の効率を高める方向に作用する可能性がある。短時間で要点を把握できるため、ビジネスの意思決定や日常の情報収集のスピード向上につながるとみられる。生成AIを前提にした情報提示や設計は、新たな競争力の源泉になり得る。
一方で、一次情報に触れないまま判断が完結することは、誤解や思い込みを招くおそれもある。要約の過程で文脈が省略される場合、情報の背景や意図が見えにくくなる可能性があるためだ。AIの回答精度に依存するほど、誤情報の影響が拡大するリスクも指摘される。
今後は、検索の評価軸がクリック数から「要約内での採用・引用」へと広がる可能性がある。企業やメディアは、読まれる記事だけでなく、AIに取り込まれやすい構造で情報を設計する必要性が高まると考えられる。検索の終点がページではなくAIの回答へ移るなか、情報流通の主導権が再編される局面に入る可能性がある。
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