テックタッチ、サントリーのVoC分析にAI導入 文脈理解で戦略立案を高度化

テックタッチは、データ戦略AIエージェント「AI Central Voice」をサントリーのお客様センターに導入したと発表した。
文脈を読み解くAIにより、従来のキーワード中心のVoC分析では把握しにくかった顧客の意図を可視化し、戦略立案に資する示唆の迅速な抽出を目指す。
テックタッチ、サントリーのVoC分析にAI導入
2026年1月27日、テックタッチは、同社が提供する「AI Central Voice」が、サントリーのお客様センターに寄せられる年間約7万5千件の「お客様の声」を対象とするVoC分析業務に導入されたと発表した。
従来はキーワード検索を軸とした分類が中心で、文脈の違いによる意図の判別には人手を要していた。
例えば「糖質」という語句一つを取っても、成分に関する問い合わせと、名称に糖質を含む製品に関する問い合わせが混在し、分析担当者が目視で振り分ける必要があったという。
こうした課題に対し、文章全体の文脈を読み解くAIにより、従来のキーワード中心の分析では捉えきれなかった顧客の意図を可視化し、戦略立案に必要な示唆を迅速に得られる環境を構築するとしている。
さらに、サントリー独自の分類軸に合わせたAIチューニングや、多軸での可視化、自然言語で質問できるAsk AI機能(※)を組み合わせることで、分析精度と意思決定スピードの改善を図る。
※Ask AI機能:分析データに自然言語で質問できるAIチャット機能。定量データと具体的な顧客の声を組み合わせ、回答を即座に提示する仕組み。
VoC分析は経営インフラへ進化するか
「AI Central Voice」を導入するメリットとしては、VoCを単なる件数の多いデータから、意思決定に耐えうる示唆へと転換できる点が挙げられるだろう。
文脈理解AIの活用により、従来は人手に頼っていた意図の切り分けが自動化され、分析の再現性や処理速度が向上したとみられる。
年間約7万5千件規模のデータを前提にすれば、分析負荷の軽減に加え、商品開発や品質改善に反映される判断の回転数が高まる可能性もある。
一方で、AI分類への依存度が高まることによるリスクも意識される。
文脈理解の精度が向上したとしても、学習データやチューニング方針に起因する偏りが完全に解消されるとは限らない。
判断根拠が見えにくくなれば、結論への納得感が損なわれる恐れもあり、分類ミスが戦略判断に影響を及ぼす可能性も考えられる。
今後は、VoC分析が単なる分析業務を超え、経営インフラとして位置づけられていく展開が想定できる。
レポート自動生成やリスク兆候の早期検知が進めば、現場改善にとどまらず、中長期のブランド戦略や商品構成の見直しにも活用範囲が広がるだろう。
自然言語での問い合わせ機能が浸透すれば、部門横断でVoCを活用する体制が整う可能性がある。
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