Amadeus Codeが音楽生成AI「FUJIYAMA AI SOUND」正式提供 ビートメイクの素材調達が変わる

2026年1月23日、東京都港区のAmadeus Codeは音楽生成AI「FUJIYAMA AI SOUND(FAS)」を正式リリースした。完成曲を生成しない点が特徴であり、ビートメーカー向けの音素材供給に特化した設計を持つ。今後同サービスにより国内発のAI音楽ツールとして制作現場のワークフロー刷新が注目される。
完成曲を作らない音楽生成AIを正式展開
FUJIYAMA AI SOUNDは、トラックを自動生成するAIではなくビートメイキング用の生素材を無限に生み出す音源生成ツールとして設計されている。
生成されるのはトーンやノイズ、断片的なテクスチャなどで、いずれもその場限りの完全オリジナル音源となる。
同社は「探す前に生成する」という思想を掲げ、サンプル探索に費やされてきた時間そのものを制作行為へ転換する狙いだ。
生成エンジン「FUJIYAMA-1」は完成ループを出力しない点が特徴で、切る・歪ませる・再サンプルするといった加工前提の音のみを生成する。
これにより既存サンプルの権利確認や使用制限といった不安を排除し、制作者が直感的に音へ手を伸ばせる環境を提供する。
スマートフォンやタブレットで使用できるiOSおよびAndroidアプリとして提供され、既存DAWやハードウェアサンプラーの工程を変えずに組み込める点も現場志向と言えるだろう。
権利クリア設計とAIガバナンスが示す今後
FUJIYAMA AI SOUNDで生成される音源はすべて権利クリアとされ、商用・非商用を問わず利用可能だ。
学習データを自社で保有し各音源に権利証明書を付与する仕組みは、AI音楽における不透明性への対応策と位置付けられる。
このような権利証明を前提とした設計思想は、同社が富士通主導の国際枠組み「Frontria」に参画し、AIトラストの議論に関与している姿勢とも整合していると言える。
一方で、完成曲を生成しない設計は即戦力を求める層には不向きとも考えられるだろう。
ただし素材供給に特化したAIは人間の創作判断を中心に据える点で、生成AIとクリエイターの役割分担を明確にする試みとも言える。
今後権利面の信頼性を前提とした音楽AI基盤が拡張されれば広告やゲーム、Web3領域での二次利用も広がる可能性が広がっていく。
※Frontria:AIトラストやセキュリティ、偽・誤情報対策を目的とした国際コンソーシアム。企業や研究機関が参加し、AIの社会実装における信頼性確保を議論・推進する枠組みである。
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