売れるネット広告社グループ、AI駆動開発で生産性3.8倍に SOBAで実運用検証

2026年1月23日、売れるネット広告社グループ株式会社は、国内の連結子会社におけるAI駆動開発の実証結果を公表した。株式会社SOBAプロジェクトでの実運用検証により、従来比で約3.8倍の開発効率向上を確認した。
SOBAでAI駆動開発を実証、課題処理数が月25件に
売れるネット広告社グループは、連結子会社である株式会社SOBAプロジェクトの特定開発案件において、AI駆動開発(※)を活用した開発体制の検証を実施した。AIエディターによる即時補完や改善提案と、自律型コーディングエージェントによるタスク分解・実装支援を組み合わせ、人間のエンジニアが全体設計と判断を担う体制で運用した点が特徴となる。
同社によれば、従来の開発体制では課題解決数は年間約80件、月換算で約6.6件のペースにとどまっていた。一方、AI駆動開発を導入した今回の検証では、2か月間で50件の課題解決を実現し、月換算で約25件の処理能力を記録した。これは従来比で約3.8倍、約275%の生産性向上に相当する。
この結果について同社は、実験的なPoCにとどまらず、実運用環境においてAI前提の開発プロセスが有効に機能することを示したと位置づけている。実装、修正、検証といった工程でのボトルネックが解消され、開発スピードと品質の両立が進んだとしている。
※AI駆動開発:生成AIや自律型エージェントを前提に、設計・実装・検証工程を最適化する開発手法。人が意思決定を担い、AIが作業を補完・自動化する点に特徴がある。
効率化の先にある競争力、AI依存と再現性が課題に
今回の実証は、日本企業の開発現場において、AI活用が検証段階から実装段階へ進みつつある可能性を示す一例と位置づけられる。
開発効率の向上は、サービス提供スピードの改善や人的リソースの最適配分につながる余地があり、中長期的には競争力強化に寄与する可能性がある。
特に人材不足が続くエンジニア市場において、AIを前提とした開発体制は、有力な選択肢の一つになり得る。
一方で、同様の成果が他の開発現場でも再現できるかについては、引き続き慎重な検討が求められる。
AIエディターや自律型コーディングエージェントの効果は、タスク設計やレビュー体制、人間側のスキルセットに大きく左右されるためだ。
AIへの依存が過度に進んだ場合、品質管理や属人化の解消、ノウハウ継承といった点が新たな課題として浮上する可能性も否定できない。
売れるネット広告社グループは、今回の結果を踏まえ、SOBAプロジェクト以外への段階的な展開を検討している。
現時点で連結業績への影響は軽微としつつも、2026年7月期にはプラス寄与を見込むとしており、AIを「導入する」段階から「前提に組み込む」段階へ移行できるかどうかが、同社の次の成長局面を占う試金石となりそうだ。
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