福岡市のごみ分別が生成AIで変わる LINE活用の全家庭ごみ判定を実証拡大

2026年1月21日、LINEヤフーコミュニケーションズは福岡市と連携し、生成AIを活用したごみ分別支援サービスの実証実験を拡大すると発表した。2027年2月に予定されるプラスチック分別収集開始を見据え、家庭ごみ全体を対象にLINE上で即時判定する取り組みが始まる。
LINE×生成AIで家庭ごみ全種を判定、福岡市で実証拡大
本取り組みは、LINEヤフーコミュニケーションズと福岡市が進める公民共働事業の一環として実施されている。
市民が捨てたい物をスマートフォンで撮影、または名称を入力すると、生成AI(※)が分別区分を判定し、適切な出し方を提示する仕組みである。
2025年10月より行われた初回実証では、2027年2月から始まるプラスチック分別収集を見据え、「プラスチックに該当するかどうか」の判定に特化して検証が行われた。
その結果、継続利用意向は86.6%、判定結果への期待も9割以上が肯定的とされ、一定の有用性が確認された。
一方、利用者からは「プラスチック以外のごみも判定してほしい」との要望が多く寄せられた。
これを受け、2026年2月1日から予定している実証では対象を拡大し、「燃えるごみ」「燃えないごみ」「空きびん・ペットボトル」「プラスチック」「粗大ごみ」と、福岡市の家庭ごみすべてに対応する。
あわせて操作性や画面表示も見直され、日常利用を前提とした改善が施されている。
※生成AI(※):大量のデータを学習し、文章や画像などを生成・判断する人工知能。本サービスではGoogleのGemini APIを利用している。
生活インフラにAIを組み込む意義と、精度依存の課題
本実証のメリットの一つとして、ごみ分別という日常的かつ反復的な迷いを、比較的低いコストで軽減できる点が挙げられる。
分別ミスが減少すれば、収集・処理工程の効率化につながる可能性があり、結果として自治体側の業務負担軽減にも寄与すると考えられる。
LINEという既存の生活インフラを活用することで、高齢層を含む幅広い市民にリーチしやすい点も、実装面での利点と言える。
一方で、生成AIの判定に過度に依存することによるリスクも想定される。
判定結果の信頼性や完全性が保証されていない以上、誤認識が重なった場合には、市民の混乱や行政への不信につながる可能性がある。
こうした点を踏まえると、補足情報の提示や人による最終判断を併用できる設計が望ましい。
今後、実証で得られる評価データを基に精度向上やUI改善が進めば、他自治体への横展開も選択肢として浮上するだろう。
生活インフラに生成AIを実装する試みが持続的なモデルとなるかどうかは、福岡市の取り組みが一つの判断材料になると考えられる。
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