生成AI時代の創造教育拠点が誕生 VERIARTが柳井に参加型ギャラリー開設

2026年1月19日、山口県柳井市のVERIART株式会社は、生成AI時代に必要な思考力と創造力を育む参加型ギャラリーを同市日積に開設すると発表した。2月7日に開業する本施設は、日本国内の里山を舞台にした創造教育の実証拠点となる。
里山の民家を開放、創造教育の実証拠点が始動
VERIARTは2026年2月7日、山口県柳井市日積に「VERIART民家まるごとギャラリー1号店」をグランドオープンする。完成作品を鑑賞する従来型のギャラリーとは異なり、アーティストの創作空間と教育空間を一体化させた参加型施設である点が最大の特徴だ。子どもから大人までが自然とアートに触れ、自ら問いを立て、考え、表現する体験を通じて学ぶ場として設計されている。
本拠点は、VERIARTが掲げる「創造教育×アート×地域」を全国に展開するための最初の実証拠点でもある。生成AIの進化によって、情報処理や正解導出は機械が担う比重を増している。こうした時代背景のもと、同社は人間に求められる力を「思考力・判断力・表現力」に再定義し、教室内にとどまらない学びの環境を構築した。
中心となるのは、2019年パリ国際サロン・グランプリ受賞作家であり、長年にわたり美術教育に携わってきた益村司である。完成作品だけでなく、試行錯誤を重ねる創造のプロセスそのものを公開することで、学びを「結果」ではなく「過程」として捉え直す狙いがある。
会場となる里山の集落は、VERIARTが「疎空間(※)」と呼ぶ環境に位置づけられる。情報や刺激が過剰でない場所だからこそ、五感を通じた違和感や気づきが生まれ、思考の起点になると考えられている。
※疎空間:人や情報、刺激が過密でない環境を指す概念。余白や静けさが感性や思考を促す場として、教育や創造分野で用いられる。
創造力教育の可能性と課題、地方発モデルの行方
この取り組みの大きなメリットの一つは、生成AI時代における人間の役割を体感的に学べる点にある。
正解のない状況で問いを立て、自分なりの判断と表現にたどり着く経験は、ビジネスや社会活動にも応用されうる力となる。
親子参加型プログラムを通じて、大人自身が学び直す契機になる可能性もある。
一方で、デメリットやリスクも存在する。
里山という立地は体験価値を高める反面、来訪者数が限定されやすく、継続的な運営モデルの確立は課題となりうる。
また、創造性の育成効果をどのように可視化し、社会的に説明していくかについても、今後の検証が求められる。
それでも、地方から新しい教育の形を提示する試みとしての意義は小さくない。
都市部中心だった創造教育の実験が地域へ広がれば、教育と地域活性の両立という新たな可能性が見えてくる。
VERIARTの1号店は、その試金石となる存在として、今後の展開が注目される。
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