マイナンバーカード活用のステーブルコイン決済を実証開始 マイナウォレットと三井住友カードが連携

2026年1月16日、マイナウォレットと三井住友カードは、マイナンバーカードを用いたステーブルコイン決済の連続実証実験を共同で開始すると発表した。
国内の実店舗決済を対象に、公的IDとブロックチェーンを組み合わせた新たな決済モデルの社会実装を検証する。
マイナンバーカードを「決済ウォレット」として活用
両社が開始する実証実験は、マイナンバーカードをそのままウォレットとして利用し、日本円連動型ステーブルコイン(※)によるタッチ決済を可能にするものだ。
本人確認には公的個人認証(JPKI)を用い、決済は三井住友カードのstera端末上で完結させる。
第一弾は2026年1月、福岡市で開催されるプロバスケットボールのホームゲーム会場で実施される。
実証では、事前登録した来場者に、ステーブルコインJPYCを付与する予定だ。
Stera端末の画面上で金額を確認できるようにしつつ、売店などでカードをかざすだけで決済できる仕組みを実現する。
背景には、法制度整備を受けて高まるデジタル通貨活用への期待と、アプリ操作を前提としない直感的な決済体験への需要がある。
マイナウォレットと三井住友カードは、専用アプリやウォレットの操作には不安も多く、高齢者や子どもを含む幅広い層には対応しきれていないと分析する。
こうした課題に対し、両社は、マイナンバーカードを利用した信頼性の高い本人確認と、決済端末として広く普及しているSteraを組み合わせる方針を示した。
これにより、誰もが使える次世代の決済体験の実現を目指すとのことだ。
今回の取り組みは、単発の実証にとどまらず、複数地域・用途での連続検証を前提としている。
中長期的には、訪日外国人旅行客向けに、暗号資産やステーブルコインを用いた決済をStera端末で実現することも検討しているという。
※ステーブルコイン:法定通貨などと価値を連動させ、価格変動を抑える設計のデジタル通貨。決済手段としての安定性が特徴。
社会実装への期待と普及に向けた課題
今回の実証実験が目指す最大の利点は、専用アプリを必要としない「カードをかざすだけ」という直感的な操作性にある。
スマートフォンの操作に不慣れな高齢者層や、端末を持たない子どもでも利用できる点は、既存のデジタル決済が抱える課題への有効な解決策と言えよう。
一方で、システム障害時の対応や、カード紛失・盗難時のリスク管理はこれからの課題となりうる。
また、クレジットカードやQRコード決済など既存の選択肢が豊富に存在する中で、明確な差別化要素を示せるかという点も問われる可能性がある。
社会実装に向けては、技術的な検証だけでなく、利用者の受容性や法制度の整備が不可欠になるとみられる。
実証を重ねる中で得られるデータやフィードバックをもとに、慎重かつ段階的にサービスを洗練させていく姿勢が求められるだろう。
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