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    台湾、米国の戦略的AIパートナーへ 半導体投資合意が描く新秩序

    2026年1月16日、台湾行政院の鄭麗君副院長は、米国との貿易協議合意を受け、AI分野で米国の緊密な戦略的パートナーを目指す方針を示した。

    目次

    台湾、米国とAI・半導体投資で戦略的連携を明確化

    鄭麗君副院長はワシントンでの会見で、今回の米台合意について、AIを中心としたハイテク分野での双方向投資を促進する内容だと説明した。台湾のテック企業が米国の半導体やAI関連分野へ投資する一方、米国から台湾への投資拡大も見込まれるという。

    鄭氏は、投資計画は政府主導ではなく企業判断によるものだとした上で、台湾企業が引き続き台湾国内への投資を継続する点を強調した。「サプライチェーンの『移動』ではなく『構築』だ」と述べ、米国での拠点拡大が台湾テック産業全体の成長につながるとの考えを示している。

    龔明鑫経済部長は、投資分野にはAIサーバーやエネルギー関連も含まれると説明した。TSMCは声明で、米台間の強固な貿易合意の見通しを歓迎しつつ、投資判断は市場環境と顧客需要に基づくとし、台湾への投資と海外事業拡大を継続する姿勢を明らかにした。協定は今後、台湾議会での批准を必要とする。

    AI供給網強化の利点と、半導体空洞化リスク

    今回の合意は、AI需要が急拡大する米国市場への対応力を高めると同時に、半導体供給網(※)の強靭性向上につながる可能性がある点で注目される。
    龔氏は、2036年までに先端チップの生産比率が台湾80%、米国20%になるとの見通しを示しており、供給拠点を適度に分散させる戦略として評価する見方もある。

    一方で、リスクが存在することも否定できない。
    台湾議会では野党を中心に、米国向け投資の拡大が半導体産業の空洞化を招くのではないかとの懸念が表明されている。
    ラトニック米商務長官が、生産の40%を米国に移す目標に言及したことは、米台間で将来像に対する認識の隔たりが残っていることを示唆している。

    今後の焦点は、台湾が技術主導権を維持しながら、米国市場を成長機会として取り込めるかどうかにある。
    AI受注の重心が米国へ移りつつある中、今回の戦略的連携は、台湾が従来の製造拠点としての役割を超え、AI供給網における中核的存在へと進化できるかを見極める一つの試みになると考えられる。

    ※半導体供給網:半導体の設計、製造、装置、材料、流通までを含む産業ネットワーク。近年は経済安全保障の観点から各国が戦略的に重視している。

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