国内初、風力直結の生グリーン電力データセンター始動 豊田通商Gが稚内で地方分散モデル

2026年1月14日、豊田通商とグループ会社のユーラスエナジーホールディングスは、北海道稚内市で風力発電所直結型のグリーンデータセンター事業を開始すると発表した。
風力発電所に直結して生グリーン電力の供給を受けるデータセンターは国内初であり、AI時代の電力需要と地方分散の課題解決を狙う。
風力発電所直結、国内初の生グリーン電力DC
今回発表されたのは、宗谷地域で運営される樺岡ウインドファームに隣接して整備される「宗谷グリーンデータセンターI(仮称)」である。
送配電網や証書を介さず再エネ発電所から自営線で直接供給される電力である、「生グリーン電力」を利用する点が最大の特徴だ。
一般送配電網や非化石証書を介さず、発電と消費を物理的に結びつけたデータセンターは国内初となる。
宗谷地域は国内有数の風況を誇り、豊田通商グループは総連系容量525.5MWに及ぶ風力発電所を展開してきた。
一方、地域内需要の不足や送電網制約により、新規電源開発が進みにくい課題を抱えていたという。
発電地に需要地を併設する今回のモデルは、こうした課題を解決する実装例と言える。
データセンターは敷地約9,900㎡、受電容量3MW規模で、2026年4月着工、2027年中の稼働を予定する。
豊田通商がデータセンターサービスを提供し、ユーラスエナジーが建屋整備と電力供給を担う。電力不足時には再エネ由来電力を追加調達し、再エネ100%運用を維持する計画だ。
AI時代の電力戦略 地方分散に期待
AIの普及に伴い、データセンターの電力需要は急増している。
電力と通信・計算資源を一体で最適化する「ワット・ビット連携(※)」の重要性が高まる中、再エネ直結型データセンターは環境負荷低減と供給安定性の両立を図る選択肢となる可能性がある。
また、東京・大阪に集中する国内データセンターの立地構造を見直す契機にもなり得る。地方分散が進めば、災害時のBCP強化や送電網負荷の平準化が期待される。
一方で、寒冷地特有の施工コストや通信インフラ整備、需要の持続性といった課題も残るだろう。
両社は2030年頃を目途に10〜20MW規模への拡張や、大規模集積エリア開発も視野に入れている。
今回の稚内モデルが成功すれば、再エネ主導型デジタルインフラの新たな標準として、他地域への横展開が進む可能性もあるだろう。
※ワット・ビット連携:電力・通信インフラの効率的な整備に向け、電力・通信・データセンター事業者が一体となり電力と通信の効果的な連携を図ること。
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