ソウル中高生の95%が生成AIを使用 教育現場は活用拡大と依存懸念の岐路に

2026年1月14日、韓国ソウル市教育庁傘下の教育研究情報院は、市内の中高生の約95%が生成型AIを利用した経験を持つとの調査結果を公表した。海外の教育現場で進む急速なAI浸透と、教員側の強い警戒感が同時に示された形となる。
ソウル中高生の生成AI利用が常態化、学習現場に深く浸透
調査は2025年7月に実施され、中高生2万6531人と教員3344人が対象となった。
生徒の94.7%がChatGPTやGeminiなどの生成型AIを使用した経験があると回答し、高校生では96.7%に達している。
週1回以上利用する高校生は77.2%で、ほぼ毎日使う層も20.1%に及んだ。
利用目的では学習関連が中心で、「授業中の使用」が42.5%、「自学自習」が35.7%を占めた。高校生は自学自習での活用が多く、中学生は授業内での使用が目立つ。趣味の創作やゲームでの活用は少数派にとどまった。
教科別では国語と英語が突出しており、文章作成や要約、翻訳などに用いられている。数学では概念理解や解答確認、社会や科学でも一定の利用が見られた。一方、音楽や美術など芸術科目での活用は限定的で、教科ごとの差も明確になっている。
教員側の生成AIの利用について、授業や評価で活用した経験のある教員は半数近くにとどまった。「生徒のAI依存」を懸念する教員は93%以上に達し、教育と管理の間で揺れる現場の実情が浮かび上がった。
学習効率向上の可能性か、思考力低下のリスクか
生成AIの利点の一つは、学習を個々の理解度に応じて補助しやすくする点にある。
文章作成や要約、翻訳を即座に支援できることで、生徒が理解や整理に時間を充てやすくなる場面も想定される。特に自学自習での活用は、学習環境の差を補う手段になり得る。
一方で、教員が懸念するように、過度な依存が続けば批判的思考力の育成に影響を及ぼす可能性がある。
解答をそのまま受け取る学習が常態化した場合、思考のプロセスが簡略化される恐れも否定できない。誤情報や偏った回答を無批判に受け入れるリスクも残る。
今後は、生成AIを単に排除するのではなく、教育の中でどう位置づけるかが議論の中心になっていくとみられる。
教員側の理解を深め、リテラシー教育として段階的に組み込めるかどうかが重要な論点となりそうだ。ソウルの現状は、AI時代の教育設計を考える上で一つの参考事例になると考えられる。
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