ファミリーマート、AIで売場スコアリング実証 店舗運営を定量評価

2026年1月13日、ファミリーマートは防犯カメラ映像をAIで解析し、売場の状態を点数化する「AI売場スコアリング」の実証実験を首都圏の一部店舗で開始すると発表した。
国内コンビニの店舗運営において、売場評価を定量化する新たな取り組みとなる。
防犯カメラ映像をAI解析し売場を数値化
ファミリーマートが開始する「AI売場スコアリング」は、店舗に設置された防犯カメラの映像をAIで解析し、売場の状態を点数として可視化する店舗運営支援システムである。品揃えの最適化や販売機会の最大化、スーパーバイザー(SV)(※)の業務効率化を目的とする。
実証実験では、おむすび売場を対象に、毎日決められた時間帯の売場画像を自動撮影し、データとして蓄積する。同一時間帯の画像を日別・曜日別に一覧で確認でき、時間帯や曜日ごとの発注や売場づくりの課題を具体的に把握できる点が特徴だ。
蓄積した画像データを基に、売場ボリュームを点数化する仕組みも導入する。
評価は曜日別、日別、時間帯別の3項目で行われ、画像と点数を組み合わせた定点観測レポートとして整理される。これにより、売場を感覚ではなく客観的な指標で捉えることが可能になる。
SVは巡回時に売場画像と点数を確認しながら、店長と具体的な課題や改善策を議論できる。また、店長が不在の時間帯でも売場の状況を把握できるため、実際の状態に即した発注判断につなげられるとしている。
※スーパーバイザー(SV):複数店舗を巡回し、売場づくりや発注、運営指導を行う本部側の管理担当者。
判断の質は向上するか 自動化が進む店舗運営の行方
AI売場スコアリングの最大のメリットは、売場評価を定量データとして共有できる点だろう。店長やSVの経験値に依存してきた判断が可視化されれば、発注精度の向上や指導内容の標準化が進む可能性が高い。特に人手不足が深刻な現場では、巡回や確認業務の負担軽減につながると考えられる。
将来的に同社は、多機能型ロボット「ポム」にカメラを搭載し、売場撮影を自動化する構想も示している。既存のAI発注システムや人型AIアシスタント「レイチェル」と連携すれば、分析から発注提案までをAIが担う体制が現実味を帯びそうだ。
一方で、点数化された評価が現場に過度なプレッシャーを与えるリスクもある。天候や地域特性、来店客層といった要因は数値に反映しきれず、スコアのみを重視した画一的な運営につながる懸念も否定できない。
今後は、AIによる客観指標と現場裁量をどう両立させるかが焦点となるだろう。
実証結果次第では、コンビニ運営の意思決定プロセスそのものが再設計され、業界全体に影響を与える可能性がある。











