マイクロソフト、Copilot内で決済解禁 AIが購買を完結させる時代へ

2026年1月、米マイクロソフトは会話型AI「Copilot」内で商品選定から決済までを完結できる新機能「Copilot Checkout」と、ブランド専用AI「Brand Agents」を発表した。まずは米国で提供され、AIとECの関係を再定義する動きとして注目されている。
Copilotが商品選定から決済までを一気通貫で担う
Copilot Checkoutは、Copilot(※1)との自然な対話を通じて商品を比較・検討し、そのまま購入と決済まで完了できる機能である。ユーザーは外部ECサイトへ遷移する必要がなく、AIの提案を受けながら購買判断を進められる仕組みだ。
本機能はStripeやPayPal、Shopifyと連携し、EtsyやUrban Outfittersなどの販売事業者が参加する。
重要なのは、マイクロソフトが販売主体にならず、販売元が引き続き顧客情報や取引情報を保持できる点である。
Shopifyの事業者は特別な申請や統合作業なしで自動的にCopilot Checkoutに登録される。
一方、PayPalやStripeを利用する事業者向けには登録申請が開始されており、対応範囲は段階的に拡大する見込みだ。
あわせて発表されたBrand Agents(※2)は、各ブランドのECサイトに設置できるAIチャットで、ブランド独自の口調や知識を反映しながら商品案内や比較、購入支援を行う。
※1 Copilot:マイクロソフトが提供する生成AIアシスタント。検索、業務支援、意思決定補助などを対話形式で行う。
※2 Brand Agents:ブランドごとに設置できるAIチャットアシスタント。商品説明や比較、購入支援をブランド独自の表現で行う。
利便性は飛躍、だが主導権は誰の手に渡るのか
Copilot Checkoutの大きなメリットの一つは、「探す」「比較する」「買う」という行為を一つの対話体験に統合した点にある。
購買までの摩擦が減ることで、ユーザー体験の向上につながる可能性があり、ブランド側にとっても購入率改善への期待が高まる。
一方で、AIが購買導線を握ることによるリスクも、今後の論点として無視できないと考えられる。
どの商品が提示され、どの順序で比較されるかはCopilotの判断に委ねられるため、検索エンジン最適化に続く「AI最適化」という新たな競争が生まれる可能性がある。
Brand Agentsはブランドの個性を表現できる手段となる一方、入口がCopilotに集中すれば、プラットフォーム依存が強まる可能性もある。
将来的には、AIが消費行動の起点となる中で、透明性や選択の多様性をどう担保するかが重要な論点になると言える。
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