生成AI偽動画が地震被害として拡散 鳥取県、TikTokに削除要請を検討

鳥取県は、2026年1月6日に発生した最大震度5強の地震を巡り、SNS上で虚偽の被害情報が拡散しているとして注意喚起を行った。
生成AIで作られたとみられる動画が投稿されており、県はTikTokに対し、削除を含む対応の申し入れを検討している。
地震後に生成AI偽動画拡散、県が注意喚起
2026年1月7日、鳥取県は、1月6日に発生した最大震度5強の地震に関連し、SNS上で虚偽の被害情報が投稿されていると発表した。
対象となっているのは、鳥取砂丘に亀裂が入ったとする映像や、公園にできた池のようなものを液状化現象と説明する動画など、複数の投稿である。
県によると、これらの動画はいずれも生成AIで作成された可能性が高いとみられている。
実際の被害状況として確認されているのは、米子市内の公園の一部で発生した液状化現象のみで、水たまり程度にとどまり、映像で示されているような池状の被害は確認されていない。
問題の動画は中国発の動画共有アプリであるTikTokに投稿され、1月7日午後5時時点でも削除されていなかった。
鳥取県は、住民に対して自治体の公式ホームページや公的機関の発信を通じて正確な情報を確認するよう呼びかけるとともに、TikTok側に削除を含めた対応を申し入れるかどうかを検討している。
生成AI時代の災害情報、利便性とリスク
今回の事例は、生成AIの普及が災害時の情報伝達に新たな利点と課題をもたらしていることを示している。
映像や画像を容易に生成できる技術は、迅速な状況共有や表現の多様化につながる一方で、事実と異なる内容が拡散されやすい環境を生み出している。
SNSを適切に活用すれば、被災地の状況を即時に把握でき、正確な情報が共有された場合には、避難判断や支援活動の迅速化につながる可能性がある。
一方で、偽情報が混在すれば、住民の不安を過度にあおり、行政対応や報道への信頼を損なうリスクも高まる。
今後は、自治体による公式情報発信の分かりやすさに加え、プラットフォーム側の対応指針や表示の在り方が問われる局面となるだろう。
利用者側にも情報の真偽を見極める姿勢が求められ、生成AIを前提とした災害情報リテラシーの確立が重要な論点になると考えられる。
加えて、誤情報が訂正されるまでの時間差が被害を増幅させるため、平時から行政・報道・プラットフォームが連携した訂正フローを訓練し、注意喚起の文面や拡散抑制策を標準化する必要があるだろう。
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