東京都、都営バス浅草でAI翻訳透明ディスプレイ実証 多言語案内を自動化

2026年1月6日、東京都は都営バス浅草エリアにおいて、AI翻訳透明ディスプレイの導入実証を開始すると発表した。訪日外国人の増加と運転士不足を背景に、公共交通の多言語対応をAIで補完する。
都営バス浅草でAI翻訳透明ディスプレイ実証
東京都都市整備局と東京都交通局は、都営バスの運転席周辺にAI翻訳透明ディスプレイを設置し、実運用における有効性と課題を検証する。
AI翻訳透明ディスプレイは、音声を認識して翻訳結果を透明な表示面に投影する仕組みで、対面コミュニケーションを妨げにくい点が特徴とされる。
昨年11月には渋谷エリアで同様の実証が行われており、今回は観光利用がより顕著な浅草で、幅広い利用者の反応を収集する。機器の提供はTOPPANが担う。
今回の実証期間は令和8年1月15日から29日までで、都02、草63、草64の3系統が対象となる。いずれも浅草雷門周辺など、訪日外国人の利用が多い停留所を含む路線だ。
本実証は、バス運転士の担い手不足が深刻化する一方で、外国人利用者への多言語案内需要が高まっている現状を踏まえた取り組みである。運転士が口頭で対応する負担を軽減しつつ、利用者との円滑な意思疎通を実現できるかを検証する狙いがある。
省人化と包摂性を両立 標準化には課題も
この実証の最大のメリットは、公共交通における多言語対応を省人化しつつ、利用者の安心感を高められる点だろう。
訪日外国人や聴覚・言語障害者にとって、視覚的に情報が提示される仕組みは利便性が高く、都市交通のアクセシビリティ向上につながる可能性がある。
一方で、課題も残る。
翻訳精度や応答速度が実用水準に達しなければ、かえって混乱を招く恐れがある。また、機器導入や保守にかかるコスト、運転席周辺の安全性への影響に対しても慎重な検証が求められるだろう。
東京都は本件を「2050東京戦略」に基づく施策と位置付けており、結果次第では他路線や他自治体への展開も視野に入ると考えられる。
AIが公共交通の現場をどこまで支えられるのか、本実証はその将来像を占う重要な試金石となりそうだ。











