サクラクレパスが生成AI使用を正式認定 海外イベント販促物でチェック体制の不備明らかに

2025年12月11日、サクラクレパスは、同社グループの販売子会社が海外イベントで展示した販促ポスターに生成AIが使われていたと正式に公表した。社内の確認プロセスに不備があったことも認めている。
海外展示のポスターでAI使用を確認、チェック体制を全社的に見直しへ
サクラクレパスは12月9日付けで、スペイン・バルセロナでのマンガイベントに出展・展示された販促物にロゴ表記の誤りや商品の描写の不整合が見つかったとして調査を進めていた。同社は使用停止と撤去を要請するとしたが、制作手法そのものへの言及はなかった。
今回の発表によると、グループ内の販売子会社が生成AIを用いて制作したイラストであることが正式に確認された。また、ポスターに記載されたロゴや商品表記についても、グループ内のデザインチェック工程が適切に機能していなかったと説明している。
同社は「このたびの事案によりご不快な思いをおかけしましたことを、心よりお詫び申しあげます」と謝罪し、今後はグループ全体でチェック体制を強化し再発防止に取り組む方針を明らかにした。
生成AI活用とブランド信頼の両立が課題 全社ルール整備で信頼回復へ
今回の事案は、生成AIの活用とブランド価値維持の両立が企業にとって重要な課題であることを浮き彫りにした。生成AIは制作効率や表現の多様化を可能にするが、手描き文化を重視する企業イメージとの整合性を確保する必要がある。
今後は、制作物の使用範囲や目的を明確化し、社内の運用ルールを整備することが信頼回復の鍵となるだろう。こうした体制整備により、海外イベントや販促物での制作効率向上とブランドメッセージの一貫性維持が両立できる可能性がある。
さらに、生成AIを完全に排除するのではなく、ガイドラインに沿った活用を進めることで、創作支援という企業の基本姿勢を守りつつ、グローバルでの販促活動にも柔軟に対応できる環境が整うと考えられる。
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