「トレンドマップ2025下半期」発表 将来性でAIエージェントが急浮上、企業戦略に変化

日経BPはマーケティング専門メディア「日経クロストレンド」による独自調査「トレンドマップ 2025下半期」を発表した。
全95キーワードを対象に将来性と経済インパクトを数値化した結果、将来性スコアの伸長ではAIエージェントが、経済インパクトの伸びではリテールメディアがそれぞれ際立つ結果となった。
AIエージェントとリテールメディアが上位に
2025年12月9日、株式会社日経BPはマーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「マーケティング」「消費トレンド」「テクノロジー」の潮流を示す「トレンドマップ2025下半期」を公開し、全95キーワードのランキングを発表した。
編集部と外部アドバイザリーボード約50人の評価を基に、2025年4月調査からのスコア増減幅をランキング化している。
将来性スコアの伸びでは、マーケティング分野の「AIエージェント」が前回比0.50ポイント増となり、分野内で1位となった。
調査期間中には、OpenAIが2025年1月にAIエージェント「Operator」を公開し、同年7月に「ChatGPT agent」を発表したほか、Googleも2025年12月に「Gemini 3」を活用した「Google Workspace Studio」を公表している。
分野別では、消費トレンド分野で「α世代」が将来性スコアの伸び1位となり、テクノロジー分野では「空飛ぶクルマ」がトップとなった。
一方、経済インパクトの伸びでは、マーケティング分野で「リテールメディア」が0.70ポイント増の3.05となり、分野別1位を記録した。
リテールメディアは、小売事業者のアプリや店内デジタルサイネージを広告媒体として活用する取り組みを指す。
たとえば、セブン-イレブン・ジャパンでは、広告出稿金額が事業化から3年で20倍超に拡大し、2025年8月時点で約500店舗だった大型デジタルサイネージ設置店を、同年11月末までに約3500店舗へ拡大したと公表している。
業務代理AIと小売広告モデルの今後
将来性スコアが大きく伸びたAIエージェントは、少ない指示で複数の業務を代行できる点が評価を高めたとみられる。
定型的な事務作業や情報検索の負担軽減につながる一方で、業務判断をどこまで委ねるかという運用設計が、企業側の今後の課題になる可能性がある。
リテールメディアは、小売企業にとって新たな収益源となるメリットがある反面、広告表示の増加が購買体験に与える影響や、データ活用を巡る消費者の受け止め方が課題として残りそうだ。
経済インパクトの伸びが示す通り、市場規模は拡大局面にあるが、持続的な成長には顧客体験とのバランスが重要になると考えられる。
トレンドマップ2025下半期の結果により、AIによる業務代行と小売メディア化という二つの潮流が同時進行で進んでいることが示された。
企業にとっては、短期的な効率化だけでなく、中長期的な信頼構築を見据えた活用方針が問われる局面に入ったと言える。
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