デジタルアイデンティティ、社内向けAI基盤「Forté.AI」を自社開発 業務効率化と品質向上を両立

株式会社Orchestra Holdingsの子会社であるデジタルアイデンティティは、社内業務の効率化とサービス品質向上を目的としたAIプラットフォーム「Forté.AI」を自社開発し、リリースした。
国内デジタルマーケティング事業の高度化に対応する取り組みである。
業務効率と品質を両立するAI基盤を社内実装
デジタルアイデンティティは、デジタルマーケティング支援事業の拡大に伴うプロジェクト増加と業務の複雑化を背景に、「業務効率化」と「サービス品質向上」を同時に実現する基盤として「Forté.AI」を開発した。2025年12月8日、親会社のOrchestra Holdingsが発表した。
生成AIや大規模言語モデル(LLM)の進展により、情報収集や分析、制作プロセスの在り方が変化する中、自社業務に最適化した統合AI環境の構築が急務となっていた。
今回の初期リリースでは、営業事務領域における議事録作成、日程調整、資料検索、薬機法チェック機能に加え、リサーチ業務でのマーケット調査、Webサイト情報の一覧化、複数ページの性能分析などを実装している。
これにより、属人的になりがちな作業を標準化し、業務精度の担保と時間短縮を図る狙いだ。
また、Forté.AIは単一ツールではなく、複数のAI機能を統合した社内プラットフォームとして設計されている。AIを補助的に使う段階から、業務プロセスに組み込む「AIネイティブ」な組織への転換を目指す狙いがある。
今後は、社内に蓄積されたマーケティングデータの活用促進や、企画・クリエイティブの成果予測を行うAIペルソナの構築、ライティングや確認業務の自動化などが計画されている。
AI内製化で進む業務変革の試金石
デジタルアイデンティティが自社開発した「Forté.AI」は、生成AIの進展を背景に、分断されがちな社内業務を横断的に支える基盤として位置付けられている。
営業事務やリサーチ領域において、議事録作成や資料検索、薬機法チェックなどを統合的に実装した点は、業務効率化と品質担保を同時に追求する姿勢を明確にしたものだと言える。
属人化しやすい作業を標準化することで、作業時間の短縮だけでなく、成果物のばらつきを抑える効果も期待される。
一方で、複数機能を集約した社内プラットフォームであるがゆえに、運用定着までには一定の試行錯誤が伴う可能性もある。
AIを補助的に使う段階から業務プロセスに組み込むには、現場の使いこなしが前提となるためだ。
それでも、自社業務に最適化した環境を内製で構築した点は、外部ツール依存を避ける上で大きなメリットである。
今後、社内に蓄積されたマーケティングデータの活用促進や、成果予測を行うAIペルソナ、ライティングや確認業務の自動化が実装されれば、同社はAIネイティブな組織へ一段と近づくことが見込まれる。
株式会社Orchestra Holdings プレスリリース
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