MetaがLimitlessを買収　AIウェアラブル戦略を加速し市場競争が本格化へ

2025年12月5日、米MetaがウェアラブルAIデバイス企業Limitlessを買収したとImpress Watchが報じた。
ペンダント型デバイスの販売は終了するが、既存ユーザーへのサポートは継続され、Metaは新たなAI搭載ウェアラブルの開発を進める構えだ。

Meta、Limitless買収でAI搭載ウェアラブル事業を再構築

Metaは、AIウェアラブル領域の有力企業Limitlessを買収した。

Limitlessは音声ログを自動でテキスト化し、行動インサイトを提示するペンダント型デバイスである。
今回の買収に伴い、新規デバイスの販売は即時終了となったが、既存ユーザーへのサポートは1年間継続され、サブスクリプション料金も不要になるという。さらに、ユーザーデータをエクスポートできる機能も追加され、プライバシー配慮がなされている。

Limitlessのハードウェア展開は停止するものの、MetaはAI搭載ウェアラブルの新ラインを開発する計画だ。
共同創業者Dan Siroker氏は「Metaは、誰もが利用可能なパーソナル・スーパーインテリジェンスを実現する新たなビジョンを発表した。その中核をなすのが、AI搭載ウェアラブルデバイスの開発。我々はこのビジョンを共有し、Metaと協力して共通のビジョンを実現していく」と述べている。

AIウェアラブル市場の再編進む可能性　利便性向上とリスクの両面

今回の買収は、AIウェアラブル市場の本格競争を予感させる動きであり、Metaがハードとソフトを統合した独自エコシステムを構築する足がかりになると考えられる。
音声や行動データを起点としたパーソナルAIは、日常支援から業務効率化まで幅広い用途を持つため、利便性が大きく向上する可能性がある。ユーザー側にとっても、アプリやメガネ型デバイスとは異なる常時装着型の体験が広がる点はメリットだろう。

一方で、ライフログを高度に扱うウェアラブルは、プライバシー保護やデータ管理が課題として浮上する。
Metaは既存ユーザーに対するサポート継続やデータエクスポート機能の追加を示したが、今後の新デバイス展開では透明性の高いデータ運用が必須になるだろう。
また、競合各社が追随した場合、急速な市場再編が起こり、ユーザーの選択肢が増える一方で技術標準の分断が進む懸念も残る。

いずれにせよ、MetaがLimitlessの技術をどう再構築するかが、次世代AIウェアラブルの方向性を左右すると言える。

ニュースリリース

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