LINE WORKS、生成AIプラットフォーム「AiStudio」を国内提供開始

2025年11月27日、LINE WORKS株式会社(本社:東京都渋谷区)は、生成AIを簡単かつ安全に業務で活用できる新サービス「LINE WORKS AiStudio」の提供開始を発表した。
国内の企業ユーザー向けに、AIアシスタント活用環境を一体化したプラットフォームとして展開する。
業務向け生成AI「AiStudio」でLINE WORKSが革新
LINE WORKS AiStudioは、専門知識を必要とせず自社業務に合わせてAIアシスタントを構築できるプラットフォームである。
社内ドキュメントやナレッジを取り込み、即座に業務効率化やナレッジ共有に活用可能だ。従来、生成AI導入には高度なスキルや複雑な設定が求められたが、AiStudioはこれらを簡素化している。
料金体系はスタンダードプランのみで、年額契約1ユーザーあたり月950円、月額契約1,140円から利用できる。各ユーザーに付与される140万トークンは社内で共有でき、必要に応じて追加購入も可能である。
AIはOpenAI社の大規模言語モデル(LLM※)を採用しており、回答には出典情報を表示する仕組みを備える。また、LINE WORKSプラットフォーム上で提供されるため、セキュリティ管理や情報漏洩防止の機能も充実している。
今回のリリースに合わせ、LINE WORKS自体もアップデートされ、トーク画面からAIを呼び出す機能や掲示板・Drive内の情報検索・要約機能が利用可能となった。これにより、従来の業務フローを大きく変えることなくAI活用を進められる環境が整備された。
※LLM(大規模言語モデル):大量のテキストデータを学習し、高度な自然言語生成や理解を可能にするAIモデル。文章作成、質問応答、要約など幅広い業務で利用される。
AiStudio活用で業務効率化進展、リスク管理も課題
AiStudioの導入により、日常業務の自動化や情報整理の効率は大幅に向上するだろう。
たとえば、会議資料作成や問い合わせ対応の迅速化、社内ナレッジの統合活用など、これまで人手で行われていた作業をAIが補完する形で業務効率化が進むと考えられる。
一方で、AI回答の正確性やバイアスへの対応は引き続き課題となりそうだ。
出典情報表示やセキュリティ環境は整備されているものの、業務判断の最終確認は人間が担う必要があり、完全自動化には慎重な運用が求められる。
また、低価格で利用できるため参入障壁は低いと思われるが、導入規模や利用頻度によっては予期せぬ運用コストが発生する可能性もある。特に大規模データ活用時には、サーバー負荷やデータ統合の運用設計が重要となるだろう。
将来的には、国内企業のAI活用意識の向上や、業務支援AIの社会実装が加速すると見込まれる。
AiStudioを活用した成功事例が増えることで、他社も同様のプラットフォーム導入を検討する動きが広がり、国内ビジネスコミュニケーション環境全体の高度化につながることもあり得そうだ。
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