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メタのAI研究トップが退社し新会社設立へ 世界的権威ルカン氏の独立で業界構図が転換期に

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2025年11月19日、米メタ・プラットフォームズのチーフAIサイエンティストとして知られるヤン・ルカン氏が年末に退社し、新会社を設立すると社内メモで明らかにした。ブルームバーグが報じたもので、メタは同氏の新会社と提携する方向だ。

ルカン氏がメタ退社 「次のAI革命」を目指し独立

メタで10年以上にわたりAI研究を主導してきたヤン・ルカン氏が、年末に同社を離れスタートアップを設立する。
社内共有されたメモによれば、同氏は19日に退社を正式表明し、新会社は「アドバンスト・マシン・インテリジェンス(AMI ※)」を中心概念に据えるという。

ルカン氏はメモの中で「このスタートアップの目標は、AIにおける次の大きな革命をもたらすことだ。物理世界を理解し、持続的な記憶を持ち、推論し、複雑な一連の行動を計画できるシステムだ」と述べ、既存の大規模言語モデル(LLM)とは異なるアプローチの重要性を強調した。
また、「経済の多くの分野で広範な応用可能性を持ち、その一部はメタの商業的利益と重なるが、多くはそうではない」とも説明している。

メタ内部では、同氏が長期研究に必要なリソース確保に苦労していたとの声もあり、短期的成果を重視する競争環境との摩擦が背景にあったとみられる。
また、同氏はメタの戦略を公然と批判し、他の関係者との対立があったという。

※AMI(アドバンスト・マシン・インテリジェンス):視覚・音・触覚など多様な入力情報を統合し、物理世界を深く理解して推論・行動する次世代AIの概念。

LLM偏重への警鐘と業界再編の兆し 独立後の潮流はどう動くか

ルカン氏の独立は、AI研究の方向性を巡る世界的議論に大きな影響を与える可能性がある。特に、同氏はChatGPTやLlamaに代表されるLLM中心のアプローチに懐疑的であり、物理世界のモデル化に基づく「ワールドモデル」戦略こそが人間レベルの知能への道筋だと繰り返し主張してきた。この立場は業界でも賛否が分かれ、メタ内部で対立を生んだ要因とされる。

その一方で、スタートアップとして独立することで研究の自由度は大きく高まり、長期視点の基礎研究を推進しやすくなる利点もある。メタにとっても、外部パートナーとして関係を維持しつつ、多様な技術ルートを確保できる点は戦略的に有益だと考えられる。

ただしリスクも存在する。AI業界では優秀な研究者の独立が続いており、大手企業の研究基盤が相対的に弱体化する懸念がある。
また、AMIのような基礎寄りの研究は収益化まで時間を要し、研究資金の確保が常に課題となりうる。
とはいえ、物理世界を理解するモデルへの期待は高く、ロボティクスや自動運転、産業オートメーションなど多様な領域で需要があると予測される。

今後、同氏の新会社がどの段階で技術を公開し、どの企業と連携するかがAI業界の力学を左右すると言える。大手企業のLLM集中戦略に対し、新たな潮流を形成する可能性が考えられる。

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