沼津市小学校でAIロボット授業 児童が対話体験で学ぶ

2025年11月13日、静岡・沼津市の小学校で、次世代AIロボット「ミロカイ」を使った授業が行われた。児童たちはロボットとの会話を通じ、介護ロボットの役割やAIとの共生について体験的に学ぶ機会を得た。
AIロボットが児童と交流 授業で対話体験を実現
授業に登場したのはフランス製の対話型AI(※)ロボット「ミロカイ」である。児童の目を見て話しかけ、発言や感情を解析しながら自然な会話を行うことが可能だ。児童が「好きなお寿司は?」と尋ねると、ロボットは「お寿司もお肉もいいですね。お気に入りのネタや料理はありますか?」と返答し、児童の「ネギトロです」との回答にも柔軟に応じた。
この授業は、介護ロボットについて学習していた児童が、実際にロボットと触れ合うことで理解を深める狙いで行われた。地元企業が協力し、理論だけでなく実体験を通じてAIの仕組みを体感させることが目的である。児童たちは遊び感覚でロボットと会話を楽しみながら、将来の生活や社会でAIが果たす役割を学んでいた。
※対話型AI:人間との会話を通じ、文脈や感情を解析して自然な応答を生成する人工知能技術。教育や接客などの現場で利用される。
AI授業の可能性と課題 学習体験向上と留意点
AIロボットを教育現場に導入する利点として、児童が理論だけでなく体験を通じて学ぶ機会が提供されると考えられる。
授業では、児童が実際にロボットと会話し、感情や発言を解析する様子を体験することで、コミュニケーション能力や判断力の向上につながる可能性が指摘される。また、AIに触れることで、児童が将来の共生社会に自然に適応する力を育む契機となることも期待される。
一方で、課題も存在する。AIの回答や行動に依存しすぎると、児童の自主性や思考力が損なわれる可能性がある。また、個人情報の扱いやデータの安全性確保は重要であり、導入には慎重な管理体制が求められる。
教育現場でのAI活用は便利さや学習効率向上の面でメリットが大きい反面、児童の主体的な学びを阻害しない工夫が不可欠である。
将来的には、国内の他校でもAIロボット授業が段階的に導入される可能性がある。教員とAIのハイブリッド運用により、効率的かつ実践的な学習環境の構築につながると考えられる。
児童にとっては遊び感覚でAIと触れ合いながら学ぶ経験が、学習意欲やAIリテラシーの向上に寄与する可能性もある。
教育現場でのAI導入は、技術理解を深めるだけでなく、将来の社会に必要な思考力や判断力を育む新たな学習手法として注目されるだろう。
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