NTT西日本、AIロボットが子どもに絵本を提案 沖縄で体験会を開催

2025年10月27日から11月3日にかけて、NTT西日本沖縄支店は那覇市でAIロボットによる絵本推薦サービスの体験会を開催した。AIによる対話型推薦を通じて、子どもの読書意欲を高める狙いがある。
AIロボットが絵本を選ぶ体験会 対話型の読書支援サービスを披露
那覇市内で開かれた体験会では、NTT西日本が開発したAIロボットによる新たな読書支援サービス「ぴたりえチャット」と「ぴたりえクイズ」が公開された。
来場した子どもたちは、ロボットとの会話を通じて自分の好みや感想を伝え、AIが最適な絵本を提案する仕組みを体験した。
このイベントは、地域の子どもたちに読書の楽しさを身近に感じてもらうことを目的に、NTT西日本沖縄支店が主催したものである。
体験では、AIが子どもの回答内容から興味関心を分析し、年齢や読解レベルに応じた本を勧める機能が活用された。
ロボットは、会話内容に応じてクイズを出題し、物語の理解を深める工夫も施されている。
子どもたちは、AIからの質問に答えながらストーリーを思い出し、感想を共有するなど、学びと遊びを両立した時間を過ごした。
NTT西日本沖縄支店の古堅誠支店長は、「沖縄の様々な課題においても、何かお力になれることがあると思っています。より一層、こういった展開を進めながら、地域の課題解決や子どもの教育にも役に立っていければ」と語った。
教育現場にも広がる可能性 AI推薦がもたらす学習支援の新潮流
AIによる読書支援は、単なるエンターテインメントではなく、学習の個別最適化を支える技術としての可能性を秘めている。特に子どもの発話や反応を分析し、読書傾向を把握する仕組みは、教育現場における教材選定の効率化につながると考えられる。
メリットとしては、AIが子どもの理解度や興味をリアルタイムに把握できるため、教員が一人ひとりに合った支援を行いやすくなる点が挙げられる。
また、読書に苦手意識を持つ子どもでも、クイズ形式や対話的な要素を通じて自然に関心を引き出す効果が期待できる。
一方で、データ収集や推薦精度の透明性といった課題も残る。誤った推薦により学習意欲を損なうリスクも否定できない。
AIが子どもの心理状態や嗜好を扱う以上、プライバシー保護や倫理的な配慮をどう確保するかが今後の焦点となるだろう。
それでも、地域教育との連携や学校図書館での応用など、AI活用の裾野は確実に広がりつつある。NTT西日本の取り組みは、AIと人が協働しながら学びを深める新たな教育モデルの実現に向けた重要な一歩といえる。
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