PKSHA、製造業DXを支援する「PKSHA AI Suite for Manufacturing」提供開始 属人化ノウハウをAIが形式知化

2025年11月5日、株式会社PKSHA Technology(東京都文京区)は、製造業のエンジニアリングチェーン全体を支援するAIソリューション群「PKSHA AI Suite for Manufacturing」の提供を開始すると発表した。
設計から保全までの全業務プロセスをAIが連携し、技術伝承と生産性向上を同時に実現する狙いだ。
AIが製造業の知見を統合、技術伝承と開発効率を両立へ
PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー)は、製造業の複雑な業務プロセスを支援するAIソリューション群「PKSHA AI Suite for Manufacturing(エーアイ・スウィート・フォー・マニュファクチャリング)」をリリースした。
本ソリューション群は、設計・生産・保全といった部門ごとに分断されがちな情報をAIが解析して構造化することで、企業全体での知識活用を可能にする。
背景には、熟練技術者の高齢化や人手不足に伴うノウハウ継承の難しさがある。
特に設計や保守などの現場では、ノウハウが各部門や個人に属人化しやすく、手戻りや非効率を招く課題が存在していた。
PKSHAはこれらの「エンジニアリングチェーン」(※)における技術伝承の壁を、AIによる知識連携を軸にした新たな製造業DXを提示する。
「PKSHA AI Suite for Manufacturing」では、社内文書や報告書、問い合わせ履歴を自動解析し、専門知識をデータベース化する「ノウハウ伝承AI」「議事録分析AI」などが提供される。
さらに、蓄積された知識をもとに企画・設計・保全を横断的に支援する「設計支援AI」「設備保全AI」も備える。
これにより、従来のナレッジ共有システムよりも円滑で生産性の高いエンジニアリングチェーンを実現するという。
PKSHAは今回の取り組みを、「人とソフトウエアの共進化」を体現するプロジェクトと位置づけている。
また今後は、サプライチェーン全体を最適化する機能や、製品のライフサイクル管理と連携する機能開発も視野に入れているという。
PKSHAはすでに保険・小売など異業種でも「PKSHA AI Suite」シリーズを展開しており、産業横断型のAI活用ノウハウを蓄積している。
※エンジニアリングチェーン:製造業における企画・設計・生産・保守などの一連の業務プロセスを指す。各段階が連携して初めて効率的な製品開発が可能になるため、情報共有の重要性が高い。
人とAIの協働が進む製造現場 日本のものづくりDXに新潮流
業務プロセスを支援するAIソリューション群は、製造業におけるノウハウ継承といった長年の課題を解消する可能性が高い。特に、設計・保全などの分断された業務を横断的に接続できる点は、従来のナレッジ管理ツールを超えた実用性を備えていると評価できる。
一方で、従業員側のAI理解度や運用スキルの差も成果を左右する要因となり得る。そのため、技術だけでなく、組織文化や教育を含めた総合的な変革が必要になると考えられる。
今後、AIが現場データをもとに知識を提案し、人間が判断するサイクルが確立すれば、企業全体での知識循環が加速するだろう。
PKSHAが視野に入れるサプライチェーン最適化やライフサイクル管理との連携は、企業単位を超え、産業全体の効率化にもつながるかもしれない。
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