GmailとOutlookの生成AI利用率は37.6% Benchmark Japanが2025年度版調査を公表

2025年10月27日、Benchmark Japanは「業務におけるメールソフト(Gmail・Outlook)の生成AI機能利用状況調査 2025年度版」を発表した。
国内409人を対象としたインターネット調査で、生成AI機能の利用経験者は全体の37.6%にとどまり、年代やソフトによって利用傾向に差が見られた。
生成AI利用は4割未満 「使い方が分からない」が最大要因
Benchmark Japanの調査によると、業務で主に利用されているメールソフトはGmailとOutlookがほぼ拮抗しており、20〜30代ではGmail、40〜60代ではOutlookが多かった。
生成AI機能を「使ったことがある」と回答したのは全体の37.6%にとどまり、「一度も使ったことがない」が過半数を占めた。
未利用の理由としては、「使い方がよくわからない」が43.6%で最多となり、「使うメリットを感じない」(29.3%)が続いた。
Gmailでは「メールの要約」(57.3%)と「返信文の自動生成」(52.1%)の利用率が高く、Outlookでは「メール下書きの自動生成」(67.2%)と「メールスレッドの要約」(43.1%)が多く使われた。
活用シーンでは「社内からのメール」(75.0%)と「顧客からのメール」(71.3%)が中心で、日常的なメール処理を補助する用途が主だった。
利用者が感じたメリットでは、「メール確認の効率が上がった」(53.9%)、「メール返信の効率が上がった」(46.8%)が上位に挙がった。一方、「特にメリットは実感していない」と答えた人も約11%いた。
不便を感じた点では、「プライバシーやセキュリティが気になる」(39.6%)、「正確性に不満がある」(34.4%)、「意図と合わない・書き直すことが多い」(31.2%)が多く、AIの品質と信頼性への課題が浮き彫りになった。
Gmailでは安全性への懸念、Outlookでは文章精度への不満が相対的に高かった。
生成AIは業務効率を高める一方、信頼性確保が課題
生成AIのメール活用は、業務効率化という明確なメリットをもたらしている。
要約や自動返信の機能によって確認・返信にかかる時間が短縮され、情報処理のスピードが向上した点は大きい。
特に大量のメールを扱う職種では、生産性向上に直結する技術であると考えられる。
一方で、精度のばらつきやセキュリティへの不安は依然として解消されていない。
AIが誤った内容を生成したり、個人情報を含むデータを学習に利用する懸念は根強く、信頼性確保が課題といえる。
今後は、AIの言語モデルが進化し、文脈理解や意図の把握がより精緻になることで、自然で適切な文面を自動生成できるようになる可能性が高い。
加えて、企業側のデータ管理方針やユーザー教育が整えば、AIの利用はより安全かつ日常的になるだろう。
生成AIは単なる補助ではなく、業務の一部として共存していく段階に入っていると考えられる。
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