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    AI教材「Qubena」に学習カルテ機能 教員の見取り支援と家庭連携を強化

    2025年10月28日、株式会社COMPASSは、AI型教材「Qubena(キュビナ)」の管理画面「キュビナ マネージャー」に新機能「学習カルテ」を追加したと発表した。児童生徒の理解度を可視化し、教員の指導効率化と個別最適な学びの実現を支援する狙いだ。

    目次

    児童生徒の理解度をグラフ化 AIが支える個別最適な学び

    COMPASSが開発するAI型教材「Qubena」は、児童生徒の解答データをもとにAIが最適な問題を自動で出題するアダプティブラーニング(※)教材である。
    今回新たに追加された「学習カルテ」機能は、教員が生徒一人ひとりの理解度や学習姿勢をより直感的に把握できるようになっている。

    学習カルテでは、教科ごとの正答率や解き直し数、総解答数、習熟度分布などを一画面に集約。レーダーチャートや積み上げ棒グラフなどの形式で、データを視覚的に表示する。
    さらに、「今年度」「過去3カ月」「先月」「今月」といった期間別の表示切り替えにも対応しており、児童生徒の成長過程を時系列で確認できるようになった。
    これにより、教員は個々に合わせた指導方針を立てやすくなる。

    また、データは保護者面談にも活用可能で、学習状況を客観的に共有する資料として家庭との連携にも役立つ。
    画面構成はシンプルで、データ分析に不慣れな教員でも扱いやすい設計とした。

    Qubenaは算数・数学、英語、国語、理科、社会の5教科に対応し、全国約170自治体・約2,300校で導入。累計解答数は30億件を超え、100万人以上の児童生徒が利用している。COMPASSは今後も学校現場の業務効率化と個別最適化の促進を目指し、機能の拡充を続ける方針を示した。

    ※アダプティブラーニング:AIが学習者の理解度に応じて問題や教材内容を自動調整する学習手法。

    教育データ活用の可能性と課題 AIがもたらす「見える学び」

    学習カルテの導入は、教育現場におけるAI活用の深化を象徴する動きである。最大のメリットは、教員の経験や勘に頼っていた学習把握をデータで補完できる点にある。これにより、児童生徒のつまずきや伸びを早期に発見し、より効果的な支援を行うことが可能になる。
    特に学級規模が大きい学校では、データによる学習状況の俯瞰が業務負担の軽減につながるだろう。

    一方で、定量データに依存しすぎるリスクも存在する。AIが捉えられない学習意欲や協働的な姿勢といった定性的な成長を見落とす懸念がある。

    今後は、AIによる分析結果をどう教育実践に反映させるかが焦点となるだろう。教育データの活用が進めば、学びの個別最適化だけでなく、教育政策やカリキュラム改善へのフィードバックにもつながる可能性がある。
    Qubenaの学習カルテは、教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える新たな基盤として、その実践効果が注目されていくと考えられる。

    COMPASS プレスリリース

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