サイボウズ、「kintone」「サイボウズ Office」「Garoon」にAI機能を拡充 業務効率化と品質管理を同時に実現へ

2025年10月27日、サイボウズ株式会社は、クラウド型業務アプリ「kintone」やグループウェア「サイボウズ Office」「Garoon(ガルーン)」にAI機能を順次導入すると発表した。データ分析や要約、校正などを支援する複数の新機能を追加し、社内業務の効率化と情報管理の高度化を目指す。
「kintone」「Office」「Garoon」にAI支援機能を統合
サイボウズは27日、同社の主要製品群に新たなAI機能を導入する計画を明らかにした。対象となるのは、業務アプリ構築クラウド「kintone」、中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」、中堅・大企業向けグループウェア「Garoon」の3製品である。
「kintone」では、10月12日より「レコード一覧分析AI」を提供開始した。アプリ内チャットで質問や指示を入力すると、AIがレコード一覧を分析して回答を提示する。
これにより、営業やサポートなどの現場担当者がデータ分析を専門知識なしで行えるようになる。
今後は、社内ルールに沿ったアプリ設定をAIが自動レビューする「アプリ設定レビューAI」も追加予定で、個人情報保護やアクセス権設定の精度向上に寄与する見込みだ。
一方、「サイボウズ Office」では、掲示板やメール本文などの内容を自動要約する「要約AI」、誤字脱字を検出する「校正AI」、機能に関する質問に回答する「ヘルプAI」を2026年1月に正式リリース予定である。
「Garoon」では同様の3機能を2025年11月から順次提供し、大企業の大規模な情報共有やスケジュール管理を支援する。
いずれの機能も、業務効率化とミス削減を両立する設計となっている。
AIによる知的支援が加速 効率化の先に問われる人と組織の最適化
今回のAI拡充は、企業の“業務の見える化”を推進するだけでなく、データ活用の民主化を促す動きといえる。
特に、非エンジニア職でもAIを介して分析・要約・校正を行える点は、現場主導の意思決定を支える大きなメリットだ。AIが日常業務を支援することで、社員が創造的な業務へ時間を割けるようになるだろう。
一方で、AIが生成する要約や判断結果の精度、情報の取り扱いに関する透明性は引き続き課題となる。誤ったAI出力を無批判に採用すれば、意思決定やガバナンスの信頼性を損なうリスクもある。
AI導入後は、人間による最終確認プロセスの再設計が求められるだろう。
今後は、サイボウズが提供する「人×AI」の業務連携モデルが、企業のAI活用の新たな標準となる可能性がある。
社内データを活かした知的支援が浸透すれば、単なる効率化を超えた「組織の最適化」へと進化する局面に入ると考えられる。











