電通デジタル、Google Cloud×Salesforce統合支援チームを新設 AI活用でデータドリブン経営を加速

2025年10月8日、株式会社電通デジタル(東京都港区)は、Google CloudとSalesforceを組み合わせた企業支援を専門に行う新チームを設立したことを発表した。生成AIやクラウド技術を活用し、企業のマーケティング効率化とデータ利活用を一気通貫で支援する狙いだ。
Google Cloud×Salesforceの連携強化でデータ利活用を加速
電通デジタルは、Google CloudとSalesforceの統合活用を推進する専門チームを社内に新設した。
両ソリューションの認定資格と豊富な導入実績を持つプロフェッショナルが集結し、企業のデータ統合から分析、施策実行までをワンストップで支援する体制を整えた。
マーケティング領域では、顧客データや購買履歴が複数システムに分散する「データのサイロ化」(※1)が課題となっている。今回の取り組みでは、Google Cloudのスケーラブルな分析基盤と、Salesforceの高度なパーソナライズ機能を組み合わせることで、リアルタイムな顧客理解と最適施策の立案を可能にする。
さらに、Googleの生成AI「Gemini」やGoogle Cloudの「Vertex AI」「Google Agentspace」、Salesforceの「Agentforce」などを活用し、業務自動化やレポート作成の迅速化を図る。
AIエージェントによるサポートで、マーケティング担当者の作業効率向上と意思決定のスピード化を実現する構想だ。
電通デジタルはGoogle Cloud Partner Advantageプログラムでデータ分析領域のスペシャライゼーションを取得しており、Salesforceにおいても国内100社超の支援実績を有する。
また、既存のAIブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」などのサービスの知見を活かし、データとAIを軸にしたマーケティング変革を進める考えである。
※1 データのサイロ化:企業内で部門やシステムごとにデータが分断され、全社的に共有・分析できない状態を指す。
AIとクラウドが変える顧客接点 企業DXの競争軸に
今回のチーム新設は、単なる技術導入支援にとどまらず、データドリブン(※2)なマーケティング戦略を実現するための布石といえる。
顧客接点の多様化が進むなか、企業はオンライン・オフラインのデータを統合し、個客単位で最適化された体験を提供することが求められている。
AIを活用したペルソナ策定やコンテンツ生成が進めば、マーケティング活動の精度とスピードは飛躍的に向上する。
一方で、AI導入にはデータガバナンスやプライバシー管理といったリスクも伴う。膨大な顧客データを扱う企業ほど、倫理的配慮や透明性の確保が問われるようになるだろう。
それでも、AIとクラウドを前提とした顧客接点の最適化は、今後の企業競争力を左右する要素となりうる。
電通デジタルの新チームが開発する統合ソリューションは、国内企業のマーケティング基盤を次のステージへ押し上げる可能性を秘めている。
※2 データドリブン:経験や勘だけに頼らず、売上データや顧客の行動データなど、収集した具体的なデータに基づいて意思決定やアクションを行うこと。
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