Runwayが次世代AI動画編集モデル「Aleph」を発表　リアルタイム操作と高精度生成を融合

2025年7月25日、米AI企業Runwayは新たな動画生成・編集モデル「Runway Aleph」を公開した。
対話型のリアルタイム操作と高精度な映像生成を両立した、AI動画編集の水準を引き上げるモデルとして注目できる。

Runway Aleph、AI動画編集の新標準へ

動画生成AIの先駆者であるRunwayは、同社の最新モデル「Runway Aleph（アレフ）」を発表した。
Alephは、従来のテキスト入力による単発的な生成ではなく、対話型ツールとして、編集プロセスを再構築するものとして設計されている。

Alephの最大の特長は、複雑な編集操作を自然言語で実行できることにある。
たとえば、「このシーンの背景を夕暮れに」「車を消して人を追加」といったプロンプトによって、対象物の追加・削除や動きの変更、ライティングの調整までが可能となる。

この機能の背景には、Runwayがノウハウを蓄積してきたオリジナルの「General World Models」および「Simulation Models」といったモデルがある。
これらのモデルにより、物体やキャラクターの物理的・視覚的整合性を保ちつつ、フレーム間の連続性を損なわない「流れるような編集」が実現されるという。

Runwayは今回の発表において、「Runway Alephは単なる新しいモデルではない。動画そのものの捉え方を一新するものだ」と強調している。

Runway Alephは現在、大手スタジオ、広告代理店、ゲーム開発会社、建築設計事務所などの法人顧客に早期アクセスが提供されており、数日以内に対象を広げる方針が示されている。

AI動画編集の進化と普及に拍車　制作現場での導入も拡大へ

動画生成AI市場では、2025年に入ってOpenAI、Google、Meta、Microsoftなどが次々と新モデルを発表しているが、Alephはそれらと一線を画す「編集特化型」として独自性を持つ。
リアルタイム編集と高精細な生成が両立できる点で、映像制作のワークフローに新たな選択肢をもたらすだろう。

一方で、導入には新しいワークフローへの慣れが必要であり、中小規模の制作チームにはハードルとなる可能性もある。
また、映像の真偽判定が困難になるといった倫理的・社会的な懸念事項もあるため、技術進化と並行したガイドラインの整備が必要となるだろう。

今後は、AIツールの熟練度がクリエイティブ業界における競争力の一要素となり、従来の映像編集手法とのすみ分けや共存が進むと予測される。