AI荷降ろしロボット「RockyOne」、SGシステム・XYZ Robotics・サンワサプライが日本初導入を発表

2025年7月30日、SGシステム、XYZ Robotics株式会社、サンワサプライ上海法人は、AI搭載荷降ろしロボット「RockyOne」を日本市場へ初導入し、東日本物流センターで運用を開始したと発表した。物流現場の完全自動化を目指す取り組みの第一歩となる。
「RockyOne」が東日本物流センターで稼働開始
SGシステム、XYZ Robotics、サンワサプライ(上海)は2025年2月から日本市場に向けた物流ロボット導入の協業を進めてきた。その成果として、AIを搭載した荷降ろしロボット「RockyOne」がサンワサプライ東日本物流センターに導入され、正式に稼働を開始した。
RockyOneは自律走行台車(AMR)にロボットアームと3Dカメラを搭載した単腕の荷降ろしロボットである。150〜800mmの幅広い荷物サイズに対応し、最大30kgまで搬送が可能だ。
コンテナ奥の荷物も的確に取り出せ、障害発生時にはタブレット操作で速やかに対処できる仕組みとなる。
実証実験では作業員なしで、大型荷物の処理能力は人手の1.5倍、中小型は人手と同等の水準を示した。本導入後はロボットの処理速度がさらに向上し、大型で1時間あたり320PPH、中型で470PPHにまで性能が引き上げられた。
ロボットの調達はサンワサプライ(上海)が、製造と保守はXYZ Roboticsが、販売および安全基準対応はSGシステムが担う。3社の役割分担により、量産と国内展開に向けた体制が整備されている。
人手不足と安全対策を両立 物流ロボ導入の期待と課題
「RockyOne」の導入は、単なる作業効率化にとどまらず、物流現場の働き方や運用体制全体に変革をもたらす可能性を秘めている。
高温下での作業や重量物の取り扱いといった過酷な労働環境が常態化していた荷降ろし工程において、安全性と生産性の両立を実現する一手となるだろう。
メリットの一つは、人手不足が深刻化する物流業界において、24時間稼働可能なロボットによる安定的なオペレーションが期待できる点である。
また、AIによる障害検知や復旧支援機能の搭載により、突発的なトラブルにも柔軟に対応できる点も、現場の信頼を高める要素になると思われる。
一方で、運用には初期導入コストや現場環境の最適化といった課題も伴う。コンテナの積載パターンや搬送経路の標準化など、周辺設備との連携が不可欠だ。
特に混載荷物が多い現場では、AIと人の協働によるハイブリッド運用も必要だろう。
将来的には、複数台運用によるライン全体の最適化や、荷降ろし後の仕分け・搬送との連携によって、倉庫全体の完全自動化に近づくことが見込まれる。
SGシステムとXYZ Roboticsの技術開発が進めば、日本国内だけでなく、アジア市場への展開なども期待できそうだ。