NEC、cotomiと6観点でAI活用を支援 「AIディスカバリープログラム+」提供

2025年7月28日、NECは企業のAI活用を包括的に支援する新サービス「AIディスカバリープログラム+(プラス)」の提供を開始すると発表した。
6つの観点から最適な戦略を立案し、短期間で実現性の高いAI導入を支援する。国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた一手として注目される。
NEC、企業のAI活用を6領域から戦略的に支援
NECは7月28日、新たなコンサルティングサービス「AIディスカバリープログラム+」の提供を開始すると発表した。
本サービスは、企業のAI活用を全社的に支援することを目的とし、「会社方針」「ビジネス活用」「ガバナンス」「システム」「データ」「組織・人材」の6つの観点から最適な施策を提案する。
同社は、製造・金融をはじめとする多様な業種において8000件を超えるAI関連プロジェクトを手掛けてきた実績があり、これまでの知見を活かして企業ごとの課題や成熟度に応じたAI戦略を構築するという。
従来提供していた「AIディスカバリープログラム」を強化・刷新した形となる。
サービスは2~4カ月で、NECが独自に開発した生成AI「cotomi(コトミ)」が活用される。社内外の情報検索やユースケース立案を通じて、属人的になりがちなAI戦略策定を効率化・高度化する。
価格は800万円(税別)からで、企業のDX推進や経営戦略へのAI統合を後押しする狙いがある。
属人的なAI戦略からの脱却へ 実現性とスピードを両立
NECの新サービスは、AI導入における「部分最適」から「全社最適」への転換を目指す企業にとって、有力な選択肢となり得る。
AIは企業の成長や競争力強化に不可欠とされる一方で、PoC(※)段階で止まるケースや、戦略と運用の乖離に悩む企業も少なくない。
そのような課題に対し、AIディスカバリープログラム+は、短期間かつ多面的なアセスメントを通じて、実行可能性の高いAIロードマップを提示する。
生成AI「cotomi」を活用することで、膨大な情報を網羅的かつ迅速に分析できる点も、従来の人依存型戦略との差別化要因であると言える。
また、cotomiはセキュアな環境でのカスタマイズも可能であり、業界特化型のナレッジや専門用語への対応力も高いとされる。この特徴により、各企業の業務特性に即した戦略立案が実現しやすくなるだろう。
ただし、戦略の立案から運用への橋渡しには、社内の意識改革やデータ整備なども不可欠であり、顧客企業の体制や予算によって成果が左右される可能性は残る。
とはいえ、NECの豊富な実績と独自技術を組み合わせた同サービスは、国内のAI活用を次の段階へと引き上げる一手となるだろう。
※PoC(概念実証):新たな技術やアイデアの有効性を、実運用前に小規模で検証する工程。実用化前の重要なステップとされる。