ソフトクリエイト、「Safe AI Gateway」新版 個人情報マスクなど4機能追加

2025年7月24日、株式会社ソフトクリエイトは法人向け生成AIサービス「Safe AI Gateway」の新版「ver.3.11」をリリースした。個人情報を自動でマスクする新機能や資料作成の自動化機能など、AI活用の実務対応力を高める4つの機能が追加された。
個人情報保護と業務効率化を同時に実現する新機能群
「Safe AI Gateway」は、企業・団体における生成AIの安全な活用を支援するサービスである。Microsoft Azure OpenAI Serviceを基盤としている。
今回のバージョン3.11では、セキュリティ強化と業務生産性の向上を両立する4つの新機能が追加された。
最大の目玉は、ソフトクリエイトの特許技術を応用した、個人情報を自動的にマスキングする機能の追加である。
ユーザーの入力内容に氏名や住所、電話番号などが含まれると判断された場合、それらの情報を「*」で伏せた状態で回答を生成する。チャットボット単位でON/OFF設定が可能なため、社内規定や用途に応じて柔軟に運用できる。
さらに、やり取りの内容をもとにPowerPointファイルをワンクリックで自動生成できる新機能も搭載された。自社のスライドマスター登録にも対応しており、提案書や会議資料の作成が大幅に効率化される見込みだ。
またGoogleの最新大規模言語モデル「Gemini 2.5 Pro」「Gemini 2.5 Flash」の利用も可能となった。長文処理性能やマルチモーダル対応が強化されており、より高度なAI分析・対話に対応する。
個人情報マスクと資料自動化の有用性を考察、企業のAI運用に新たな選択肢か
今回のアップデートにより、「Safe AI Gateway」は従来の安全性に加え柔軟性と拡張性を備えたAI基盤としての完成度を高めたと言える。とりわけ、個人情報マスク機能は生成AIの利用拡大に対する懸念の一つを実務的に解消するものであり、企業のAI活用を一段と後押しする要素となるだろう。
PowerPoint自動生成機能の追加は、事務作業の定型化が求められる企業にとって有用であり、導入部門を問わずに恩恵が見込まれる。スライドフォーマットを統一できることから、ブランド管理や品質管理の観点でも評価されるだろう。
一方で、AIの利用上限を超えた際に自動で下位モデルに切り替わる仕様には注意が必要そうだ。作業が中断されない利点はあるが、答精度や処理速度に差が出る可能性があるため、利用者は業務の重要度に応じて調整を行う必要があるだろう。
生成AIの導入が進む中、セキュリティと実用性の両立は避けて通れない課題である。
今回の「Safe AI Gateway」のように、細やかなアップデートを重ねることで、AIサービスが業務インフラとして定着していく可能性は高まっている。