ジーアイクラウドら3社協業 Reckonerで生成AIとデータ活用支援

2025年7月23日、ジーアイクラウド、スリーシェイク、ブレインパッドの3社が、企業向けに生成AI活用とデータ利活用を一体的に支援するプロフェッショナルサービスの提供を開始した。
生成AIとデータ分析を一体支援、Reckoner活用で基盤強化
今回の協業は、スリーシェイクが提供するクラウド型データ連携ツール「Reckoner(レコナー)」を中核に据え、企業の生成AI導入に不可欠なデータ統合と可視化、分析基盤の構築までを包括的に支援する取り組みだ。
Reckonerは、GUIベースで操作できるのが特長で、エンジニア以外でもシステム間のデータ連携を簡単に設計・自動化できる。オンプレミスやSaaSなど多様なシステムからのデータを一元的に収集・統合することが可能であり、複数のクラウドや自社システムを横断する連携にも対応する。
今回、このReckonerを、ジーアイクラウドが展開するGoogle CloudのBigQueryを基盤とした「データ分析基盤クイックスタート」に組み込むことで、企業内に点在するデータソースを統合した最適な分析基盤の構築を実現する。これにより、生成AI活用の前提となる「整理されたデータ環境」を迅速に提供する狙いだ。
加えて、ブレインパッドは、構築前段階のデータ可視化や有用性評価を担い、BIツール等を用いたアセスメントサービスを主導する。
企業がAI活用に踏み出す初期段階から一貫して支援できる体制が整えられた形だ。
物流やマーケティングに先行展開 データ戦略の高度化が加速へ
今回はまず、物流新法への対応でデータを活用した業務最適化が急務となっているサプライチェーン業界と、顧客体験のパーソナライズ対応やチャネルの多角化によりデータ統合の複雑化が進むデジタルマーケティング業界を対象に提供を開始する。
前者では、2024年に施行された物流新法への対応が急務となっており、業務の効率化や需給調整において、データ分析の活用が不可欠となっている。
一方マーケティング分野では、チャネルの多様化や顧客体験のパーソナライズが進む中で、顧客データの統合・活用に課題を抱える企業が多い。特に、複数のデジタル接点で得られる非構造化データの統合分析が求められているため、生成AIとの連携による新たな分析手法に期待が高まる。
ジーアイクラウドは、生成AIのフロントエンドとして注目されるGoogleの「Gemini」や、AIエージェント実行基盤「Agentspace」への接続支援も想定している。
Agentspaceは自然言語の指示から複数の業務タスクを連携処理できるプラットフォームであり、社内業務の自動化やパーソナルエージェント開発に活用されている。
今後は、業種ごとに異なるデータ構造・業務プロセスに応じた最適解を提示し、幅広い業界への展開を目指すという。
企業の生成AI活用が実証実験段階から実運用へと移行する中、こうした統合的支援は重要性を増すと考えられる。