HashPort、万博ミャクミャク撮影券をNFTで配布 毎日30組に「SBT」発行へ

2025年7月17日、株式会社HashPortは大阪・関西万博において公式キャラクター「ミャクミャク」との写真撮影券をNFT形式で配布する抽選キャンペーンを開始すると発表した。券は譲渡不可の「SBT」として毎日30組に提供される。
撮影券をSBTで発行 万博体験がトークン化される試み
Web3開発を手がけるHashPortは7月18日から10月13日までの期間中、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」との写真撮影券を抽選で配布するキャンペーンを開始する。
抽選の当選者にはブロックチェーン上で譲渡不可な「Soulbound Token(SBT)」として撮影券が付与される。撮影券の名称は「ミート・ザ・ミャクミャク撮影券SBT」で、1日あたり30組(1組最大4名)に当選。落選者にも特典として万博内の「デジタルウォレットパーク」で利用できる割引クーポンSBTが配布される。
抽選はHashPortが提供する「EXPO2025デジタルウォレット」アプリ内で実施され、結果は毎日午前10時頃に通知される仕組みだ。
また、従来から人気を博していたレジェンド会員向けの同イベントは、引き続き先着順での予約が可能とされている。
Web3とリアル体験の融合 SBTで広がる新たな価値証明
今回のSBT発行は「リアル体験のブロックチェーン化」を示す象徴的なユースケースであり、来場者の行動や記録をWeb3上に残す“証明”としての機能を果たすと考えられる。
SBTは譲渡不可の性質から取引対象にならない代わりに、個人の活動履歴や参加実績を信頼性高く蓄積できる特徴がある。将来的にはSBTに基づく来場証明や特典付与、他のWeb3サービスとの連携といった発展が見込まれる。これにより万博を起点とした“デジタルID”としての役割も担うだろう。
一方で、現時点ではこの仕組みが一般利用者にどこまで浸透するかはまだ未知数である。NFTやSBTといった技術に対する理解やリテラシーの差もあり、導入初期には運用や問い合わせ対応に一定の負担が予想される。
それでも、HashPortのような国内発のWeb3企業が大規模なリアルイベントと連携して新たな実証機会を創出している点は大きな意義がある。Web3技術の社会実装における重要な一歩となりそうだ。