SlackがAI機能を拡充 スレッド要約・翻訳・検索など4機能を正式実装

2025年7月17日、米Salesforce傘下のSlackは、AIを活用した新機能を発表した。
スレッド要約や会議メモ、リアルタイム翻訳、社内検索機能などを通じ、業務効率化を支援する。対象は有料プラン利用者に限定される。
Slack、AI活用の4機能を有料プランに正式導入
2025年7月17日、SlackはAI技術を活用した4つの新機能を正式導入したと発表した。
対象プランはPro、Business+、Enterprise+であり、すでに順次利用が可能となっている。
今回実装されたのは、以下の機能である。
1つ目は「enterprise search」で、ユーザーが自然言語で質問することでSlack内のチャット履歴、社内ドキュメント、PDF、画像などを横断検索できる。
2つ目は「thread summaries」および「channel recaps」と呼ばれる要約機能で、スレッドやチャンネル内の会話をAIが自動で要約し、途中参加のメンバーでも内容を即座に把握できるようにする。
3つ目は「会議メモ生成機能」で、Slack上の音声会議機能「ハドル」終了後に、AIが重要な発言やアクション項目を整理したメモを自動生成する。
4つ目は「リアルタイム翻訳」で、異なる言語を使うメンバー同士が、それぞれの母国語のままやり取りできるよう支援する。
加えて、Slackは今後の機能強化も予告している。
たとえば、専門用語にカーソルを合わせると社内情報に基づいた解説を表示する機能や、会話内の期日やタスクを自動検出してアクションアイテムとして提示する機能などが予定されている。
SlackのAI拡充は業務効率を底上げ 一方で懸念も
今回のAI機能追加は、Slackが単なるチャットツールから、業務支援型の「スマートワークスペース」へ進化する一手といえる。
会話の要約や検索、翻訳といった領域は、特に国際的なチームや複数プロジェクトを並行する現場で強力な支援機能となる。
なかでも、thread summariesや会議メモ機能は、情報共有のスピードと質を向上させ、意思決定の迅速化に直結する可能性がある。
また、リアルタイム翻訳は多言語チームにおける障壁を下げ、グローバル人材の活用を後押しするだろう。
一方で、これらの機能が有料プラン限定である点や、社内データをAIが解析することに対するセキュリティ・プライバシーの懸念も残る。
特に規模の小さな企業や情報管理が厳格な業界では、導入に慎重な判断が求められる。
Slackは今後もAI機能の拡充を予定しているが、それらが真に現場で「使える機能」となるかどうかは、精度・速度・透明性などの実装クオリティにかかっているといえる。