Devin開発元Cognition、Windsurfを買収 Anthropicと連携強化へ

2025年7月14日(現地時間)、米AIスタートアップのCognitionは、ソフトウェア開発自動化ツール「Windsurf」を買収する最終契約を締結したと発表した。
OpenAIとの買収交渉が破談となった末の決定となる。
今後Windsurfは、Cognition傘下でAnthropicのAIモデルとの統合に向かう。
Devin開発のCognitionがWindsurfを買収、機能統合へ
AIエージェントIDE(※)「Devin」を展開するCognitionが、ソフトウェア開発環境Windsurfの買収を正式発表した。
両社は製品・知的財産・ブランドの包括的な譲渡に関する最終契約を締結し、今後段階的に統合を進める見通しだ。
Windsurfは、年間定期収益(ARR)で約8200万ドルを計上しており、この収益がCognitionの事業に加わることで、同社の収益基盤は大幅に強化される。
開発者チームは当面現体制を維持しながら、Devinとの機能統合を進行させる予定である。
Windsurfをめぐっては、当初OpenAIが買収を目指して交渉を進めていたが、条件面で折り合いがつかず破談。
その後、創業者や幹部がGoogleに引き抜かれ、Windsurfの存続が注目されていた。
今回のCognitionによる買収は、Windsurfの単独路線を断念した形とも受け取れるが、Devinとの統合により、プロダクトの拡張性と開発者支援機能の強化が期待される。
※IDE(統合開発環境):ソフトウェア開発に必要なツールを一つにまとめたアプリケーション。コードの記述、コンパイル、デバッグ、実行などを一元的に行える。
Anthropicとの連携強化でDevin陣営が拡張 LLM競争に新展開も
注目すべきは、今回の買収によってWindsurfがOpenAIやGoogleではなく、AnthropicのLLMモデルと連携する方向に舵を切った点である。
CognitionはAnthropicと戦略的提携を結んでおり、今後はDevinおよびWindsurf双方でClaudeシリーズとのシームレスな連携が可能になるとみられる。
この連携により、開発現場でのAIエージェント活用はさらに進化し、コード生成・デバッグ・レビューといった工程の自動化精度が向上するだろう。
Cognitionにとっては、Windsurfの既存顧客基盤を取り込むことで市場シェアの拡大が狙える。
一方で、買収によりDevinとWindsurfの機能が重複する部分もあることから、統合プロセスにはリソースと時間を要する可能性がある。
また、Windsurfのユーザーにとっては、今後の料金体系や仕様変更に対する不透明感は否めない。
今回の動きは、AI開発環境をめぐる競争軸をOpenAI vs Googleという二項対立がある中で、Anthropicを軸にした第三勢力の台頭を印象づけるものとも言える。
Anthropicと他企業との連携強化は、生成AI領域における競争構造に新たな波をもたらすことになるだろう。