AI画像生成も可能に ASUSがProArtシリーズ新モデルを国内発売

2025年7月4日、ASUS JAPAN株式会社はAI機能を強化したクリエイター向けノートPC「ASUS ProArt P16」シリーズ2機種を国内発売した。新型Ryzen AIプロセッサとNVIDIA RTX GPUを搭載し、独自のAI画像生成アプリも備える高性能モデルだ。
Ryzen AIと独自生成アプリ搭載のProArt新機種
ASUSが発表した「ASUS ProArt P16 H7606WP」と「H7606WM」は、最新のAMD Ryzen AI 9 HX 370(※1)プロセッサ(最大50TOPS ※2)を搭載し、AI処理性能を飛躍的に向上させている。
GPUにはそれぞれNVIDIA GeForce RTX 5070および5060 Laptop GPUを採用し、高度なレンダリングや動画編集にも対応可能だ。
本体は厚さ最薄部14.9mm、重量約1.85kgと16インチクラスとしては軽量。
タッチパッドには「ASUS DialPad」を搭載し、アプリケーションショートカットのカスタマイズも可能だ。堅牢性では米国防総省のMIL-STD 810H規格のテストをクリアしている。
また、両モデルはMicrosoftの「Copilot+ PC」要件を満たし、AIアシスタント機能をフル活用できる仕様になっている。ディスプレイは16型3K有機ELタッチパネルで、アスペクト比16:10を採用。MPP2.0対応のASUS Pen 2.0による4,096段階の筆圧検知が、デザインやレタッチ作業を支援する。
注目すべきは、ASUS独自のAI画像生成アプリ「MuseTree」がプリインストールされている点だ。プロンプト入力や手書きスケッチから即座に高品質な画像を生成可能である。
※1 Ryzen AI 9 HX 370:AMDが開発したAI専用処理ユニット(NPU)を内蔵するプロセッサ。生成AIや大規模言語モデルのローカル処理を想定している。
※2 TOPS:1秒間に行える兆単位の演算回数(Tera Operations Per Second)
AIノートPCの進化が促すクリエイター市場の変化
ASUSが提案する「AIネイティブ」なノートPCは、今後のクリエイター市場における新しい基準になり得る。
生成AIやローカル推論処理が一般化することで、従来クラウド依存だったAI活用が端末完結型へとシフトしていく流れが強まるだろう。この変化は、データのセキュリティやリアルタイム性を重視する現場にとって大きな価値を持つであろう。
ただし、普及には価格帯の引き下げやエネルギー効率の改善も必須となりそうだ。
競合各社も同様のAI機能搭載モデルを市場に投入することが予想されるため、技術競争が加速する中では、エコシステムの差別化が鍵になると考えられる。
ASUSが独自アプリ「MuseTree」を拡充し、サードパーティとの連携を深められるかが中長期的な成否を左右するだろう。