上海でMWC開幕、中国企業がAI搭載スマホやPCを一堂に展示

2025年6月18日、中国上海市で通信関連の世界見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が始まった。中国企業を中心に5G技術やAI搭載の最新スマートフォン、パソコンが公開されており、国際的な注目を集めている。
中国企業がAI搭載スマホやPCでMWCに新技術を投入
上海で開催されたMWCでは、世界各国から集まった通信関連企業により、AIと5G技術を融合した新製品が数多く披露された。
特に注目したいのが、中国聯想(レノボ)グループが展示したタブレット端末である。
この端末には、中国の新興AI企業ディープシークが開発した対話型生成AIが搭載されており、テキスト入力による文章生成や外国語音声からのリアルタイム字幕生成など、複数の機能を備えている。
レノボ執行副総裁の劉軍(Liu Jun)氏は、AI活用によって営業コストが約20%削減できたと説明し、AI技術が企業の生産性革新に直結すると強調した。
このほか、5G対応製品も多彩に登場し、通信の高速化とAI技術の融合が進んでいることが示された。MWCは技術の国際競争が激化する現状で、中国企業がグローバル市場における存在感を高める場になっている。
AI搭載機器の普及で、企業の効率化と競争が加速
AIを搭載したスマートデバイスは今後、企業の業務効率化を大きく押し上げると予測できる。たとえば、自動翻訳や文章生成機能は、グローバル展開する企業のコミュニケーションコストを削減し、生産性向上に寄与する可能性がある。
レノボの実例はその先駆けといえるだろう。
一方で、AI技術の急速な導入は競争環境の激化ももたらすと考えられる。
最新技術をいち早く取り入れた企業が市場シェアを拡大する半面、技術投資の負担や人材不足が企業にとってのリスクとして浮上するだろう。また、AIの誤用やセキュリティ面での課題も発生する可能性がある。
とはいえ、通信とAIの融合は、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、競争力を強化させるだろう。
今後もMWCのような国際イベントが技術動向を示し、ビジネス環境の変化を促す重要な役割を担い続けることになると思われる。