Meta、プラダとAIスマートグラスを共同開発へ 高級ブランドとの連携が拡大か

米国時間2025年6月17日、アメリカCNBCは、Metaがイタリアの高級ブランド、プラダと共同でAI搭載のスマートグラスを開発していると報じた。
発表時期は未定だが、同社が既存の提携先以外との連携を強化する動きとして注目できる。
Meta、ファッション領域での新たなパートナーシップ構築
Metaはこれまで、アイウェア大手エシロールルックスオティカ(※)と提携し、「Ray-Ban Meta」シリーズのAIスマートグラスを展開してきた。
すでに数百万本を販売しており、今週には同系列ブランドであるOakleyとの新製品の発表も報じられている。
CNBCによれば、Metaはこの路線を拡張し、プラダとの提携を通じてさらなるブランド価値の向上を目指しているという。
プラダはエシロールルックスオティカの傘下ではないが、Metaは過去数十年にわたり同社の製造力を活用してアイウェアを開発してきた実績がある。
両社は直近でこの協業関係を再確認しており、今回の新たな取り組みに発展したとみられる。
なお、公式の発表時期の見通しは現段階では立っていない。
※エシロールルックスオティカ:フランスとイタリアに拠点を持つ世界最大級の眼鏡メーカー。Ray-BanやOakleyなど複数のブランドを傘下に持つ。
高級ファッション×AIの融合、狙いと課題は
Metaによるプラダとの協業は、テクノロジーの生活浸透を進める中での、ファッションを通じた普及戦略と見ることができる。
AIスマートグラスの一般化にあたっては、見た目の洗練性やブランド性が購買動機に与える影響が大きく、Ray-Banに続くラグジュアリーブランドとの提携はその一環と考えられる。
プラダにとっても、先端技術であるスマートグラスへの注力は、新たな購買層を引き込むきっかけとなり、先進的なイメージの醸造につながるだろう。
一方で、デバイスとしての価格帯は課題となりうる。
CNBCによると、エシロールルックスオティカ参加のOakleyモデルは、360ドル前後(日本円でおよそ5万2千円)と見込まれているという。
ブランド製やデザインを重視するプラダ製は、この価格を大きく上回る可能性もある。
新製品が高価格帯でも支持を得られるかは、機能性とブランド価値のバランスにかかっているといえる。
今後、AIスマートグラスは単なるガジェットではなく、個人の情報環境とライフスタイルの一部として扱われるようになるだろう。
生活の一旦を担うアイテムとして、デザイン性もさらに求められていくはずだ。
テック企業が高級ブランドと手を組む動きは、「生活空間の中でAIの存在感を自然に高める試み」として非常に興味深いため、今後も注視していきたい。
CNBC記事 : https://www.cnbc.com/2025/06/17/meta-oakley-prada-smart-glasses-luxottica.html