PKSHAとキンドリル、AI活用で社内ヘルプデスク革新へ BPaaSに知見融合

2025年6月17日、PKSHA Technology傘下のPKSHA Workplaceとキンドリルジャパンは、AIと専門知識を融合させた「AI-BPaaS」型ヘルプデスクサービスで協業すると発表した。
国内企業の従業員体験向上を目的とした新たな取り組みである。
AIと人の判断を融合した新ヘルプデスクモデルを提供
PKSHA Workplaceとキンドリルジャパンは、従業員エクスペリエンスとエンゲージメントの向上を目指し、AIと人の協調による新たな業務支援モデルを打ち出した。
PKSHAの「PKSHA AI ヘルプデスク」と、キンドリルのデジタルワークプレース領域のサービスを統合し、コンサルティングから環境構築、運用支援までを一貫して担う「AI-BPaaS(Business Process as a Service)」として提供を開始する。
背景には、企業内のヘルプデスク業務における高度な最適化ニーズがある。
キンドリルが公表した「People Readiness Report 2025」によると、日本のビジネスリーダーの85%が「従業員はAIを活用する準備が整っていない」と回答しており、業務現場へのAI浸透が急務とされている。
従来のBPaaSでは、業務の標準化とコスト削減が主眼とされていたが、企業ごとに異なるナレッジを扱うヘルプデスク業務では限界があった。
今回の取り組みでは、PKSHAのAIエージェントによる自動応答と、有人対応をシームレスに連携させるHuman in the loop(HITL)(※)を採用し、パーソナライズされた業務支援を実現する。
※Human in the loop(HITL):AIによる自動処理に対し、人間が途中で介入して判断や修正を行う仕組み。精度や柔軟性を確保しやすい。
独自ノウハウを取り込むAI-BPaaS 企業の生産性向上に貢献
AI-BPaaSにより、従業員は必要な情報に迅速にアクセスでき、問い合わせ対応にかかる待機時間や対応時間を大幅に削減できるようになるだろう。
また、PKSHAのAIヘルプデスクが持つ、応答内容のナレッジ化と自動蓄積機能は、継続的な業務改善にも寄与すると思われる。ナレッジの循環によって、担当者ごとの対応品質のばらつきが減少し、組織全体の生産性向上につながる可能性がある。
一方で、AIによる自動対応の精度や、ユーザーの利用体験が不十分なままだと、かえって混乱を招くリスクもある。こうした点に対し、キンドリルは豊富な運用実績に基づき、企業に最適な業務設計と導入支援を提供するとしている。
BPaaSの進化系とも言える本取り組みは、単なる自動化ではなく、企業ごとの業務特性に応じた柔軟な支援を可能とする点で注目できる。
今後、国内の他企業にも同様の導入が進むことで、AIと人が協働する新たな業務モデルの普及が加速する可能性もあるだろう。