AMBLが生成AI導入を一括支援 企業のDXを加速する「Generative AI Suite」提供開始

2025年6月16日、AMBL株式会社は、企業の生成AI導入から高度化・運用改善までを包括的に支援する新サービス「Generative AI Suite」の提供を開始すると発表した。
RAG技術と共創型設計で現場定着を支援、Azure連携で迅速導入も
「Generative AI Suite」は、企業のDX推進と業務効率化を目的とした、生成AI導入支援の包括サービスである。AI活用の成熟度に応じた柔軟な支援プランを設け、戦略立案からPoC(概念実証)、実装、高度化、運用改善までの全工程を一括で支援する。
最大の特徴は、現場活用を前提とした“共創型”アプローチにある。顧客固有の業務フローや既存システムとの連携に配慮し、業務設計やナレッジ継承まで視野に入れた実践的支援を行う。
計画フェーズでは、業務課題の深掘りとAI活用の優先順位整理、ユースケース選定、PoC設計を行う。
実装フェーズでは、Azure OpenAIなどを活用し、業務への実運用フェーズへ移行させる。
高度化フェーズでは、業界特化型カスタマイズや中長期の運用計画、カスタムAIエージェントの構築まで支援する。
技術面では、各社専用のクラウド環境上に生成AIモデルを構築し、認証連携や利用状況の可視化、プロンプトテンプレートなどを標準搭載。短期間での実運用が可能となる。
また、RAG(検索拡張生成)技術により、社内文書やナレッジベースを生成AIと連携させ、自社特化型で正確な回答を生成する。これによりハルシネーション(※)のリスクを抑えつつ、情報精度と実用性を高める。
顧客ごとにデータを完全分離管理する構成で、情報漏えいの懸念にも配慮している。
価格は、環境構築サービスの初期費用が5万円、月額費用は1ユーザーあたり300円。RAGサービスの初期費用が5万円、月額費用が1ユーザーあたり200円となっている。月額サポート料金は週1回支援が40万円、0.5人月サポートが60万円、1人月サポートが120万円で提供される。
AMBLは2019年よりAI事業を展開し、150名超のAI専門人材を擁する体制を整備。実業務に根ざした導入支援の実績をもとに、生成AIの社内定着と自走化を後押しする構えだ。
※ハルシネーション:生成AIが事実に反するもっともらしい誤情報を出力する現象。業務利用では正確性確保のため回避策が重要視される。
AI活用の民主化とコスト最適化に寄与 課題は運用人材と活用浸透
AMBLの「Generative AI Suite」は、企業にとってAI活用の入口と定着を同時に支援する実践的なソリューションである。RAGやAzure連携を通じて、正確性と導入スピードを両立し、コストと情報セキュリティの両面でも訴求力を持つ。
一方で、導入後の浸透や継続的な運用には、人材育成と現場定着が不可欠だ。生成AIの“業務自走”には、経営と現場の理解・習熟が鍵となる。
今後は、業界特化テンプレートや自治体・教育機関向け支援への展開も想定され、生成AIの民主化が進む可能性がある。
AMBLのような一括支援型サービスが、中堅企業やバックオフィスへの普及を後押しすると期待される。