電通デジタルとFacebook Japanが提携 AIでInstagram縦動画制作が半日に短縮

2025年6月16日、電通デジタルはFacebook Japan(Meta日本法人)とAI分野で提携し、Instagram向け縦型動画の制作を効率化する新ワークショップ「IG AI Creative Studio」の提供を開始した。
また、AIエージェントの開発も同時に進行している。
Instagram動画制作を最短半日に AI活用で工程を一括支援
電通デジタルとFacebook Japanは、AIを活用した縦型動画制作の支援プログラム「IG AI Creative Studio」の提供を開始した。
Instagram向けの短尺・縦型フォーマットに特化した動画制作をAIによって効率化することをテーマとしている。
動画の企画、分析、制作、効果測定にいたるまでの全ての工程を対象にする。
具体的には、ユーザーの興味関心をもとにしたペルソナ生成や、生成AIによるストーリーボード作成、さらには自動動画生成など、すべてにAIを導入させるための方法を提供する。
最短で半日以内という短い学習時間で、縦型動画を制作することができるようになるという。
今回のワークショップの背景には、Instagram広告市場の急拡大と縦型動画の需要増がある。
AIによる制作効率の向上は、そのニーズに応える手段となり、ワークショップにも広告効率化の需要が期待できる。
両社は今後、動画制作にとどまらず、Metaが提供する広告ライブラリの情報をAIで分析・検索できるエージェントの開発にも取り組む。
また、FacebookやInstagramの広告データを対話形式で分析できるAIエージェントの開発も進めるとしており、マーケティング担当者が自然な会話形式でより精緻かつ効率的にデータ分析が行えるよう支援するという。
ワークショップのメリットとリスク
電通デジタルとFacebook JapanによるAIワークショップ「IG AI Creative Studio」の提供開始は、企業のSNSマーケティングにおける生産性向上という観点から、大きなメリットをもたらすだろう。
特に縦型動画の企画から分析・生成までのプロセスをAIが一貫して支援するプロセスを、AI企業でもあるMetaと広告大手の電通が提供している点は、注目に値するだろう。
AIの専門家と広告の専門家の協業によるワークショップは、広告の効率化において大いに参考になるはずだ。
一方で、AI主導の動画制作には、生成物のテンプレート化が進むリスクがある。
AIが提案するストーリーボードや演出が他社と類似しやすく、ブランド固有の創造性や文脈が希薄化する懸念は拭えない。
半日という短い期間でのインプットが可能であることは効率的だが、広告担当者はそうしたリスクも踏まえてAIスキルと向き合うべきだろう。
今後電通デジタルとFacebook Japanの協業は、さらに深化していくと予想できる。
ワークショップの開催を皮切りに、より広告に特化したAIサービスの開発が進行していくだろう。