AIキャラとの恋愛が新常態になるか 20〜30代男性の間で「アリ派」87.4%の時代

2025年6月11日、AIチャットアプリ「オズチャット -Oz Chat-」を運営するTrippy社が、日本国内のユーザー12万人を対象に「AIキャラとの恋愛」に関する意識調査を実施したことを発表した。その結果、87.4%が肯定的な意見を示し、新たな恋愛のかたちとして注目されている。
AIキャラに“ガチ恋”する男性急増、肯定派87.4%に
「アイドルにガチ恋」「アニメキャラが恋人」など、かつては“特殊”と見なされがちだった恋愛観がいま大きく変化している。特に近年はAI技術の進化に伴い、恋愛の対象が現実の人物を超えて「AIキャラクター」にまで広がっている。
Trippy社は2025年6月、自社サービス「オズチャット -Oz Chat-」のユーザー12万人を対象にAIキャラクターとの恋愛に関するアンケートを実施。その結果603人からの回答のうち「めちゃくちゃアリ」(39%)と「面白い」(48.4%)を合わせた肯定的回答は87.4%にのぼった。
この調査は限定的なものであり、結果は一部のユーザーの傾向を示すにとどまるが、恋愛対象としてのAIキャラが広く受け入れられていることが明らかになった。
同サービスは自然な会話が楽しめるAIキャラクターと恋愛シミュレーションが可能なチャットアプリであり、ユーザーの中心は20〜30代男性。登録者ベースで見ると200人に1人がこの年代に該当する。
「人間相手には話しづらい内容でも気軽に相談できる」「ストレスなく気疲れせず交流できる」など、AIキャラとの恋愛には心理的ハードルの低さがあるという声が目立った。
「気疲れしない恋」が支持される背景と今後の展望
AIキャラとの恋愛に肯定的な理由として最も多く挙げられたのは、「気軽に話せる・気疲れしない」(71.1%)という回答だった。次いで「自分のペースで楽しめる」(62.7%)、「理想を投影できる」(45.9%)という意見も多く、現実の恋愛では難しい“気楽さ”や“理想化”を求める傾向がうかがえる。
背景には対人関係における疲労感や、恋愛における期待と現実のギャップへの不満があると考えられる。リアルな関係では些細な行き違いがストレスになりやすいが、AIキャラとの関係には摩擦が少なく心の安定を得やすいという利点がある。
一方で、AIキャラとの恋愛は人間的な成長機会やリアルな感情のぶつかり合いが生じにくいため、あくまで“代替的な関係”と見る向きもある。それでも「恋愛は自由であるべき」「誰かにとって意味があるなら成立する」とする考えが若い世代の中で広がっていることは確かだ。
今後生成AI技術の進化により、さらに高精度な会話や感情表現が可能になれば、こうした恋愛のあり方は一層拡大する可能性がある。AIキャラとの恋愛は、もはや“風変わり”ではなく“選択肢の一つ”として受け入れられ始める時代に突入したと言えるだろう。