SkebがAIによる規約違反チェック機能を公開 イラスト発注の透明性向上へ

2025年6月12日、イラスト発注サービス「Skeb」を運営するスケブ(東京都港区)は、新機能「AIによるアドバイス」のα版テストを開始した。ユーザーの発注内容チェックを強化することを狙いとしている。
Skeb、発注リクエストの違反をAIが事前通知
新たに導入された「AIによるアドバイス」は、Skeb上で依頼者が入力するリクエスト文に対してAIが自動解析を行い、利用規約に抵触する恐れのある表現があれば抽出し、登録メール宛に通知する仕組みである。
これまでSkebでは、利用規約に反する内容を含むリクエストは、運営によって却下される仕様となっていた。だが、違反が通知されるのは提出後であるため、依頼者が意図せずに規約違反を犯してしまうケースもあった。
新機能は、こうした不一致の事前回避を目指すものであり、AIが違反の可能性を判断する役割を担う。
ただし、スケブ側は「AIの判断が常に正確とは限らない」としたうえで、最終的な判断は依頼者自身が行うよう注意を呼びかけている。
AI導入がもたらす依頼体験の変化と課題
AIによる自動チェック機能は、ユーザー体験の質を大きく変える可能性を持つ。
違反リスクを事前に把握できることで、依頼者は無駄なリクエスト却下を避けられ、クリエイターも受注内容の明確さを享受できると考えられる。
また、Skeb運営側の負担軽減も期待されるだろう。
従来は人力で確認していたリクエスト内容の審査が、ある程度自動化されれば、運営体制の効率化とサービス品質の維持が両立可能となる。
一方で、AIが誤って適切なリクエストを違反と判断するリスクや、AIの判断に依存しすぎることで利用者の判断力が損なわれる懸念もある。
加えて、依頼内容に含まれる創作的・文脈的要素をAIが正しく解釈できるかどうかは、技術精度に左右される部分が大きい。
今後は、フィードバックを通じてAIの精度を向上させることで、よりユーザーに寄り添ったチェック機能へと進化させられるかどうかが重要になるだろう。