Anthropic、Claudeのコーディング支援機能を月額20ドルで提供開始 Proプラン強化で開発者層を拡大へ

2025年6月4日、米AI企業Anthropicは、自社の生成AI「Claude」におけるコーディング支援機能「Claude Code」を、月額20ドルの「Pro」プランで利用可能にした。
開発支援機能を強化することで、利用者層の拡大と競争力の向上を図る。
Claude CodeがProプランに登場、開発支援を広く提供
Anthropicは、生成AI「Claude」のProプランに新たな機能として「Claude Code」を追加した。これまで一部ユーザーに限定提供されていた同機能が、月額20ドルで利用可能となり、開発者層へのリーチが大幅に広がることになる。
Claude Codeは、IDE(統合開発環境)やターミナルで稼働可能なAIコーディングアシスタントであり、コードの作成・修正・管理を支援する。バックグラウンド動作が可能なSDKを通じて、開発現場への柔軟な導入を可能にする点が特徴的だ。
ただし、ProプランにおけるClaude Codeの使用には制限があり、小規模なコードベースでは連続使用時間が1〜2時間に制限される。大規模開発や高頻度利用を前提とする場合は、より高額な「Max」プラン(月額100〜200ドル)の利用が推奨されている。
Claude 4の登場以降、Claude Codeの利用者数は50%以上増加しており、トークン使用量も80%超増加するなど、開発機能への需要が急増している。
なお、2025年6月3日からは、Proプラン利用者に向けて「Research」および「Integrations」機能の提供も開始されている。
Research機能では、Claudeが信頼性の高い情報源から引用付きでレポートを生成する。Integrations機能は、AIアシスタントを外部アプリに接続可能にするオープン標準「MCP」に対応し、データ基盤との統合開発を支援する。
Proプランの拡充が市場競争を激化 機能制限と価格のバランスが鍵か
AnthropicによるClaude CodeのProプラン提供開始は、開発者向け生成AI市場の裾野を広げる起点となる可能性がある。月額20ドルという価格設定は、競合各社と足並みを揃えつつも、機能制限付きで試用を促す入り口戦略と位置付けられる。
一方で、連続使用時間や処理規模に制限がある現行仕様では、企業の本格導入には課題も残るだろう。
今後は、Claude Codeの性能向上と共に、段階的な制限緩和が進むと考えられる。
加えて、ResearchやIntegrations機能といった汎用性の高い拡張が、開発領域を超えたビジネスユースの拡大に寄与する可能性もある。
特に、企業の情報検索やレポート作成、業務連携においてClaudeが浸透すれば、生成AI活用の主戦場が「開発支援」から「業務基盤」へと広がっていく構図も見えてくる。
価格と機能のバランス、ならびに開発者と一般ユーザー双方への訴求力が、今後の市場シェア拡大の成否を左右すると言えるだろう。