トラベルコ、AIで旅行Q&Aを刷新 入力文から最適な回答を即提示

2025年6月4日、旅行比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドアが、AIを活用したQ&A機能の提供を開始したと発表した。ユーザーの入力文をAIが解析し、関連性の高い回答を自動提示するもので、利便性の向上が期待される。
AIが質問の意図を理解し最適なQ&Aを提案
オープンドアは、「トラベルコ」のWebサイトおよびアプリにおいて、生成AIを活用した新たなQ&A機能の運用を開始した。これまで同サービスにおけるQ&Aは、あらかじめ登録されたキーワードや辞書情報に依存しており、ユーザーが入力した語句と一致しない場合には、意図した回答にたどり着けないという課題があった。
今回導入されたAIは、ユーザーが入力した文章や単語を自然言語処理技術で解析し、意味的な関連性を持つQ&Aを表示する仕組みである。これにより、曖昧な表現や日常的な言い回しでも、適切な回答に誘導できるようになった。
同機能は、トラベルコのパソコン版およびスマートフォン版Webサイト、ならびにiOS・Android両対応の公式アプリで利用可能。検索から予約までの一連の情報取得がスムーズになることで、ユーザー体験のさらなる向上が見込まれる。
オープンドアは今後、Q&A機能にとどまらず、商品検索などの機能にも順次AI技術を拡張していく計画を示している。
利便性向上と差別化へ AI導入がもたらす可能性と課題
AIを活用したQ&A機能の導入は、旅行比較サイトの中でも先進的な取り組みといえる。「トラベルコ」はこれまでにも、検索のしやすさや情報の網羅性で高い評価を得ており、オリコン顧客満足度ランキングにおいて航空券・ホテルの両カテゴリで2年連続の首位を維持している。
今回のAI導入により、ユーザーは自身の目的に即した情報へ迅速にアクセスできるようになり、予約率や回遊率の向上が期待される。また、自然言語をベースにした検索対応は、年齢層やITリテラシーにかかわらず幅広い層にとって使いやすい点がメリットだ。
一方で、AIが誤った回答を提示するリスクや、回答の精度を保つための継続的な学習コストといった課題も存在する。特に旅行業界は、シーズナリティや最新の交通・宿泊情報の変動が激しいため、AIの更新頻度とデータの精度が成功の鍵となる。
AIをいかにユーザー体験向上のために活用し、従来の比較サイトとの差別化を図るか。トラベルコの今回の施策は、旅行業界におけるAI導入事例として、今後の標準モデルとなる可能性がある。